「まだまだこれから」そんな自分だからこそ、できることがあるのかもしれない

「年上だから」「年下だから」「〇〇だから」…

そんなフィルターを外して、大学生・社会人ボランティアのコンポーザーと高校生がつながる場、『クレッシェンド』。

「クレッシェンド」は、通信制・定時制高校で行う、D×Pの独自授業です。

コンポーザーとしてクレッシェンドに参加してみたい!興味がある!けど…

ボランティアとか、今まであんまりしたことないけど、大丈夫?コンポーザーに興味があるけど、クレッシェンドってどんな感じ?普段高校生と接する機会は全く無いし、教育現場のこともよくわからないから不安…

 

そんなふうに思われる方って、とてもたくさんいらっしゃるのではないかと思います。実際、私がそうでした。

えーちゃん
この記事では、私『えーちゃん』(D×P社会人インターン)がコンポーザーとしてクレッシェンドに参加したときのエピソードや感じたことを、コンポーザー目線でお届けします!

 

(参加クレッシェンド日程:2018年6月2日~2018年8月5日
 開催校:ECC学園高等学校 大阪学習センター)

先生でも親でもないけど。だからこそ、話しやすいのかも。

クレッシェンドは、全4回。コンポーザーと高校生が継続して関わります。初回は「はじめまして」なので、高校生とコンポーザーが楽しみながらお互いを知ることができるよう、ゲームを混ぜた簡単なワークを行います。

高校生とコンポーザーが混合した小グループに分かれ、「最近あった楽しかったことは?」「最近何を買った?」といったトークテーマでフリートークをしました。

写真は「すごろくトーク」の様子。各マスにトークテーマが書かれており、グループ内で順番にさいころを振り、出た目のマスに書かれたテーマについてみんなで話します。

あるグループの様子。高校生、コンポーザー、スタッフみんなで。はじめは初対面なので探り探りなやり取り…少しずつ盛り上がっていきました!

 

私は、おしゃれで活発な印象の女子生徒二人とのグループで、途中、女子トークで盛り上がることも!とても楽しい時間でした。

実は、クレッシェンドが始まる前までは「うまく生徒さんの会話を引き出してあげなくちゃ」なんて考えていましたが、「~あげなくちゃ」ではないんだな、と実感。その時、会話を盛り上げたり、自分以外の人に話を振ったり、同じ場にいる人のことを気にかけてその場を回していたのは生徒二人の方でした。

最初は気負ったり力んだりすることもあるかもしれませんが、肩の力を抜いて臨んで大丈夫なんだろうなと、振り返ってみて思います。授業終了後、私は同じグループのひとりの生徒と恋愛話やファッションの話が広がり、教室開放時間ぎりぎりまでしゃべっていました。

その生徒の楽しそうな様子がうれしかったです。その時の私は「社会人としてのワタシ」でもなく、「ボランティアとしてのワタシ」でもありませんでした。肩書のない自分自身で、たのしいな~、もっと話していたいな~という気持ちでした。


一刀両断!お悩み相談室 歯切れよく相談事にのってくれた女子生徒。目の前の人の、「現在」と「過去」

クレッシェンド2回目。グループ内でそれぞれの近況などについて話していた時、私が参加していたグループがいつの間にか「人生お悩み相談室」に!コンポーザーやスタッフの悩みに、ある一人の高校生が歯切れよく答えていくという場になっていました。

たとえば、あるコンポーザーの転職に関する悩みについては、

ある生徒
周りがどう言うかじゃなくて、いかに自分が楽しいか、将来後悔しないかを基準にして進路を選択すべき。一時期ニートになったってバイトでしばらく生きていけるやろ!

 

とアドバイス。そこには、「高校生に対する年下扱い」は無く、「対等な人」同士の会話がありました。私はその時間、アドバイザーになっていた女子生徒からとても元気をもらいました!

他のグループでもそれぞれに和気あいあいと互いのことを話したり聴いたりする雰囲気ができていたようです。いくつかのトークテーマについて、配られた白紙に自分のことを書き出しながらグループ内で話していきます。

そして、この日のメインワーク、『過去のジブン』に移ります。コンポーザーが、自身の過去の経験についてグループ内の高校生に話すというものです。

私は、仕事のことや趣味の話など、改めて簡単な自己紹介をしてから、過去のつらかったことや苦しかったことについて話しました。

「バンドが好き」「まんがが好き」そういった話のときは、笑顔をみせる生徒もいました。しかし、過去のしんどかった時期に感じていた、「誰も信用できない」「将来なんてない」「さみしい」…といった気持ちについて話しているときは、生徒もうつむきかげんに。

生徒によりリアクションはさまざまでした。私は話している途中、「聞いてくれているのかなあ」とこころもとない気持ちになったりもしました。

写真は私(左)が「過去のジブン」を話しているところです。

それでも、話し終えたとき、ある生徒から、「ふーんって感じ。こんな人もいるんやなって思った。」という言葉を聞くことができて。

「自分がその生徒にとっての、ひとつの『大人のサンプル』になれたのではないか」と思い、「自分もクレッシェンドに参加してよかったのかもしれない」と思いました。

また、コンポーザーの話がきっかけで、グループ内で自己開示しあうようになることも。

たとえば過去の経験話に加えて、私が今大切にしていることもいくつか生徒に伝えたとき。そのうちの一つ、「自分にも他人にも甘く」という点について、「おれといっしょや。おれもそれ最近大事やと思ってる。」と話す生徒もいました。その生徒はさらに言葉を続けて、なぜそう考えるようになったかというきっかけもグループ内で話していました。

「俺もいっしょ!『他人に甘く』って大事やんな~」「せやな、俺も自分に甘いしな~」と会話が広がりました。

ものごとに対するスタンスの選択肢が増えたり、ほかの人と自分との共通点を見いだせたりすることが、このワークの魅力のひとつではないかと思っています。

明日や「その先」が少したのしみに感じられた時間

クレッシェンド3回目のワークは、ひとりひとりが自分の「ユメ」をみんなに話すというものでした。

ここでいう「ユメ」は、一般的に語られる「夢」よりも、もっと広い意味での「やってみたいこと」としています。帰って寝たい、晩御飯は〇〇が食べたいなどなど、なんでもオーケーです。

まずは、それぞれ自分の「ユメ」について考え、簡単なイラストにしてみます。

書き出した自分のユメについてスタッフから尋ねられた生徒(写真右)が、そのユメについて話す様子。楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

スタッフとして参加していた広報インターン「いもりん」(写真左)の描いた「ユメ」に「なにそれ?」「へ~!」と関心を寄せているようです。

「ユメ」をイラストにしてから、みんなで輪になって、ひとりひとりそのユメについて話していきます!(このワークをD×Pでは『ユメブレ』と名付けています。)

ユメブレの様子。「海へいきたい」「屋台のから揚げが食べたい」「プログラマーになりたい」「ヒーローになりたい」…いろいろなユメが語られました。

自分の「ユメ」を話すのをパスした生徒も、ほかの生徒が語るユメを真剣な様子で聞いていました。聞き取れなかった言葉やわからない言葉があれば小声で隣のコンポーザーに尋ねたり、「意外やなあ」とか「へえ~」とリアクションしていました。

生徒によって様々な気持ち、気分だったとは思いますが、それぞれがお互いを受け入れようとする空気が生まれていたように思います。

私もユメブレの間、「ユメ」って気軽に話していいんだよな、先のことがちょっぴりでもたのしみに思えるっていいな、と感じていました。

小さな手紙にのせた言葉たち。自然と「ありがとう」がこぼれた

クレッシェンド最終回では、いくつかのワークを通じてお互いの印象を伝え合いました。「自分を客観視すること」がテーマです。最後のワーク「ジョハリの手紙」は、クラスメイト一人一人の印象を小さな紙に書いて、それぞれに手渡すというものでした。

「照れくさい…」「相手のリアクションを想像するとちょっとこわいな…」そういった気持ちもあってか、ためらう様子の生徒もいました。しかし、手紙を渡し合ったときの恥ずかしそうながら嬉しそうな表情がとても印象に残っています。

また、最後の最後では、スタッフとコンポーザーから生徒全員へサプライズ!一人一人に「ありがとう!」の色紙を渡しました。

えーちゃん
クレッシェンドが終わるのはさみしいけれど、「あなたと同じ時間を過ごせてよかった」と思っている「あなたが『自分はきっと大丈夫』と思える日々を送ってくれたら」と願う、そんな大人がいたことをたまに思い出してね~

 

私の場合は、かかわった生徒ひとりひとりへのそういった気持ちを色紙のメッセージに込めました。

「えー、うそやんまじで?素でうれしねんけど!」「ありがとう~」照れながら涙ぐむ生徒も。普段あまり話さない生徒同士でも色紙を見せ合ったり、写真を撮ったり。友達と一緒に、教室のホワイトボードに「ありがとう」のイラストメッセージを残す生徒も。

生徒が帰っていった教室は、やっぱりさみしかったですが、いわゆる「湿っぽい」気持ちはなくなんだかあたたかい気持ちでクレッシェンド終了をむかえました。

「まだまだこれから」そんな自分だからこそ、できることがあるのかもしれない。

クレッシェンドでの出会いは一期一会かもしれません。
しかし、初対面の、年齢もバックグラウンドも異なる相手のことを少しずつ知って、人生にふれ、自分のことも伝えて。

自分の何かが一つでも目の前の相手に受け入れられた気持ちになる経験は、あとになってふとそのことを思い出したときに、心をほんのり和らげるんじゃないかな、そうであればいいなと思います。

「いろんな人がいる。大人になるって、そう悪くなさそうだ。」「この人もむかしはいろいろあったみたいだし、今だってそんなに『ちゃんと』はしてないけど、なんだかわりと楽しそうにしてるな。」


「なんとなく、きっと、自分もこれからも大丈夫」

と、かかわった生徒が心のどこかで感じられたら…そこには、「ものさし」で測りようがない、たしかな価値があるのではないかと思います。

「まだまだこれから」。そんな自分だからこそ、できることがあるのかもしれない。これは、私がクレッシェンドを終えて感じたことです。コンポーザーは、「ボランティア」という言葉のイメージとはちょっと違う、「ボランティア」。コンポーザーになって、高校生一人一人と、「ひとりの人間として」向き合ってみませんか?

通信制高校のクレッシェンドは土日に、定時制高校のクレッシェンドは平日夜がメインです。

興味をもたれた方は、まずコンポーザー説明会にぜひいらしてください。読んでくださったあなたと一緒に、クレッシェンドを作っていくことができれば幸いです!

 

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