保護者に頼れず困窮する10代が、一時的に安心できる環境を整えるために食糧支援や現金給付を行ないます。ユキサキチャットでの継続した相談サポートと食糧や現金での支援を掛け合わせ、相談者が他にも頼れる先を増やしていきます。
プロジェクト概要
実施期間 | 2020年5月〜 |
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対象者 | 経済的に保護者に頼ることが難しい15~25歳。自身のアルバイトの収入で自分や家族の生活費・学費などを賄っていて、コロナの影響をうけて生活が不安定な方・もしくは不安定になる可能性がある方 |
活動内容 | 食糧支援・現金給付 |
協力 | 株式会社SAKURUG |
プロジェクト背景
2020年4月より新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発表をうけ、自身のアルバイトの収入で生活する若年層から生活困窮にまつわる相談が届くようになりました。
児童養護施設を退所した若者や何らかの理由で保護者に頼れず大学に通う・働いている若者からの相談も増えることが予測されたため、10代を対象に相談を受け付けていたLINE相談「ユキサキチャット」の対象年齢を25歳までに引き上げ、現金給付と食糧支援の緊急サポートを開始しました。
2022年4月から、生活必需品が大きく値上げとなりました。コロナ禍の影響で「一時的にバイトができなくなって苦しい」という声が多かったころに比べ、物価高騰の影響は先が見通せないということが大きく違います。
また、不安定な生活を強いられたこの2年の間に抱えた借金や心身の不調についての声も多く届いています。親に頼れず困窮する若者を長期的にサポートするため、これまでの現金給付・食糧支援を改め「ユキサキ支援パック」としてひとりひとりのニーズに寄り添う支援を行なっています。
プロジェクト内容
ユキサキ支援パックは、3つの支援パックのなかから相談者の状況に合わせて柔軟に対応します。組み合わせることで最大の支援期間は15ヶ月となり、長期支援を行うことができます。
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相談者のニーズに合わせて利用可能
現金給付
給付の目的は、生活費、家賃、学費など。ライフラインの滞納の解消・引越し・医療費など一度に大きな出費がある場合は緊急支援パックで8万円を給付します。 -
約30食をすぐに届ける
食糧支援
約30食をすぐに届けます。届ける食品は、パスタやパスタソース、レトルトのカレー、缶詰、お米など。食糧支援を実施する相談者の多くは日用品も我慢していることが多いため、生理用品、ボディーソープなど必要なものがないかを選択式のフォームで尋ね、回答があったものを一緒にお届けします。
サポートの流れ
- 保護者など経済的頼り先があるか
- 貯金や借金があるかなど本人の経済状況はどうか
- 仕事をしているか、働ける状態にあるかなど収入見込みがあるか
- 公的なサポートを既に受けているか、今後受けられそうか
などを総合的に判断し、よりひっ迫した状況にある方に対して給付等を決定しています。支援を決定する場合も見送る場合も、支出の見直しや収入確保のため転職・アルバイト探し、利用できる公的支援、奨学金の申請などをユキサキチャットでサポートしています。
D×Pの食糧支援
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30食分をすぐに送る
本人から申し込みを受けたあと、数日以内にzoomを使って面談します。その後必要書類の提出をいただいたのち、2,3日で届くように食糧を発送します。相談者が「相談してよかった」と思えるように、素早く送ることを大切にしています。 -
ひとりひとりが
受け取りやすく体調や苦手な食べ物、調理器具の有無などを聞き、ひとりひとりに合わせて内容をカスタマイズしています。食糧の他にも必要なものがないかを選択式のアンケートで尋ね、マスクや生理用品・シャンプー・歯ブラシなどの日用品も届けています。 -
長期でつながる
支援につなぐ食糧を届けながら、LINE相談「ユキサキチャット」で、生活改善に向けてやりとりを行ないます。本人の望む状態を聞きながら、福祉制度の利用サポートや地域でサポートしてくれる団体等につなぎ、本人の生活の安定まで支援します。
サポートを受けたい15歳〜25歳の方はこちら
食糧・日用品の寄贈について
10代に送る際に人によって中身に偏りが出ないように、パック商品は10パック以上、1ケースからなど一定量まとめてのご寄付をお願いしています。また、受け入れる食品や物品にいくつかの基準を設けさせていただいております。具体的な基準は食べ物・物品を寄付する-D×Pの食糧支援のページよりご確認くださいませ。
プロジェクトに関する
お知らせ
奈良市と連携協定を締結。奈良における子ども・若者の支援を推進 | |
株式会社Minato様よりAQUA MARE(アクアマーレ)基礎化粧品を寄贈いただきました | |
TBS NEWS DIGにご掲載いただきました。 | |
MBSニュースにご掲載いただきました。 | |
弁護士JPニュースにご掲載いただきました。 |
プロジェクトに関する
活動報告
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走った分だけ食糧支援。ピッチの内外で挑戦し続ける【稲葉修土選手インタビュー】
D×Pの活動にはさまざまな方が賛同くださり、応援をいただいています。そしてその応援の方法にはさまざまな形があります。 今回は寄付という形とは別に、独自の方法で関わってくださっている方をご紹介します。それがサッカー選手の稲 […] -
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