01

2004年、
イラク人質事件。

D×Pの創業者の一人である今井は、2004年の高校生のとき、イラクの子どもたちの医療支援のために当時紛争地域だったイラクへ渡航しました。そして、現地の武装勢力に人質として拘束されました。「イラク人質事件」の当事者です。

解放され帰国すると「自己責任」の言葉のもと、社会からバッシングを受けました。「頼むから死んでくれ」「税金泥棒」などの罵倒の手紙や電話の数々。突然後ろから頭を殴られることもありました。今井は対人恐怖症になり、2年ほど家に引きこもる日々を過ごしました。

02

否定せず、
関わられた経験。

今井が外に出るきっかけのひとつとなったのは、高校のときの担任の先生です。卒業したあとも今井を気にかけ、20歳のとき大学の願書を持ってきてくれました。APU(立命館アジア太平洋大学)に進学するとひとりの友人ができました。のちに今井とD×Pを創業する朴基浩(パク キホ)です。

今井はある日、「どうせ、本当の俺のことなんて誰も理解してくれない」と言ったことがありました。朴は否定せずに話を聞いたあと、こう言いました。「確かにそうかもしれないけれど、自分で向き合っていくしかないんじゃない?」

当時は周囲の人にも、今井自身のなかにも「あの人質の今井」がいて、人と関わるのが苦痛でした。でも朴は、過去の出来事にかかわらず目の前にいる今の今井と関わってくれました。

朴との出会いがきっかけとなり、今井は自分の経験を人に語るようになりました。まずは、周りの友人や後輩から。最初は泣きながらでしたが、周囲の人たちは、「そうだったんだ」と否定せずに聞いてくれました。否定せずに自分のことを受け入れてくれる人たちのおかげで、今井は「少しずつ社会ともう一度つながりたい」と思うようになっていきました。

03

生きづらさを抱えた
高校生との出会い。

その後偶然、「中学校時代は不登校だった」「前の学校を中退した」という高校生に出会いました。彼らは、親・先生・友人などから、否定された経験をもっていました。今井は自身の「自己責任」だと社会から否定された経験が重なり、「生きづらさを抱えた高校生のために何かできることはないか」と考えるようになりました。

2012年、NPO法人D×P(Dream times Possibility)が立ち上がりました。そして、高校生が次第に人とのつながりを得て、可能性がひろがるようにだんだん強くという意味の「クレッシェンド」という独自プログラムを構築しました。
D×Pの設立当時から「否定せず関わる」姿勢を大切に多くの10代と関わっています。

04

新しいセーフティネットを
つむぐ。

D×Pが目指したい社会は、ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会。解決する課題は、10代の孤立です。これまで多くの10代と関わるなかで、国がセーフティネットをつくっていても、たどりつけない、たどりついても利用できない10代の状況を見てきました。

困った時、ネットでつぶやくと相談窓口を教えてくれる人とつながることができる。学校のなかで、自然と価値観をひろげるような人との出会いが持てる。人とのつながりで、10代にさまざまな選択肢を与え、新しいセーフティネットをつむぎたい。

これらを実現するためには、サポートの情報を多くの人に届け孤立する10代の周囲にいる人ひとりひとりが声をかけられる状態をつくることが必要です。そうすることで人とのつながりがセーフティネットとなり、より拡がっていくはずです。

05

D×Pが目指す
未来。

想像してみてください。あるふたりの10代の話です。

ある17歳の子は、家のなかでひとりぼんやりと「もう死ぬしかない」と思って寝転がっていた。SNSでその気持ちをふと呟くと「どうしたの?」と声をかけてくれる人がいた。あやしい人だと思ったけれど、「ユキサキチャット」という相談窓口を紹介された。期待していなかったけど、スマホから匿名でできるし、いいかと思ってメッセージを送ってみると、すぐに返信が来た。

学校に行けていないことを話すと、親身になって話を聴いてくれた。誰にも言えなかったけど、ふだん親から物を投げられたり叩かれたりしていることも話すことができた。

話しているうちに、親と離れて生きていくことも選べるのかもしれない、と思えた。


ある18歳の子は、「働くことは面白くない」と思っていた。

母親と二人暮らしで、経済的にはあまり余裕がない。昼間は働き、夜は夜間定時制高校に通う。働くことは必要に迫られて仕方なくすることだった。そんなとき、学校で「クレッシェンド」という授業で変な大人と出会った。

楽しそうに仕事の話をする人もいれば、仕事はそこそこやりつつ趣味を全力で楽しむ人もいた。自分はこんなふうにはなれないだろうと思いつつも、変な大人たちと話をするのは楽しかった。

実はやってみたいことを話したら「やってみたら?」と言われて、ある企業を紹介してもらった。翌年の4月、彼はその企業で働き始めた。

この二人のエピソードは、ただの偶然だと思うかもしれません。でも僕は、こんな偶然が生まれる社会をつくりたいと思っています。


D×Pの活動は、皆様からのご寄付が必要です。ともに、10代を支えませんか?
ぜひ、寄付で「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」を実現する仲間となってください。

プロフィール

今井 紀明
認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長

1985年札幌生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)卒。神戸在住、ステップファザー。高校生のとき、イラクの子どもたちのために医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。その際、現地の武装勢力に人質として拘束され、帰国後「自己責任」の言葉のもと日本社会から大きなバッシングを受ける。結果、対人恐怖症になるも、大学進学後友人らに支えられ復帰。偶然、中退・不登校を経験した10代と出会う。親や先生から否定された経験を持つ彼らと自身のバッシングされた経験が重なり、2012年にNPO法人D×Pを設立。
経済困窮、家庭事情などで孤立しやすい10代が頼れる先をつくるべく、登録者7700名を超えるLINE相談「ユキサキチャット」で全国から相談に応じる。また定時制高校での授業や居場所事業を行なう。10代の声を聴いて伝えることを使命に、SNSなどで発信を続けている。

今井に関するメディア掲載

11月25日、NHK Eテレ「あしたも晴れ!人生レシピ」を見て頂いた方へ。
唯物論研究年誌 第27号「つながる」力の現在地に、今井のインタビューをご掲載いただきました。
朝日新聞にご掲載いただきました。
Forbes JAPANに村上財団代表理事の村上 玲さんと、理事長の今井の対談記事をご掲載いただきました。
読売新聞にご掲載いただきました。

講演・取材のご依頼

テーマ
  • これからの生き方や、高校生にとって気づきとなるテーマ
  • D×Pの活動全般・創業ストーリー
  • D×Pのビジョン「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」について
  • こどもの健全育成のため、地域がどのように取り組むべきか
今井の講演謝金

謝金は、50,000円〜/1h となります。ただし、講演の対象者が高校生の場合謝金の調整をしますのでその旨をご記載ください。

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