「誰かに頼ることを怖がらないで」漫画ちはやふるの作者 末次由紀先生とD×Pから新成人になるみなさんへ
2022年4月1日から成人年齢が引き下げられ、18歳・19歳の若者が成人になります。認定NPO法人D×P(ディーピー)は、10代を中心に約7,800人が登録するLINE相談ユキサキチャットを運営し、当事者となるみなさんの声を聞いてきました。「成人の基準が下がっても18歳の心であることは変わらないから、大人の括りに入ることが心配です。自分でも責任が増えたり大人の扱いをされたりすることに自信がないです(18歳)」「責任が増えるということに対して不安はあるが、政治などに自分の意見が反映されるのは新鮮(16歳)」などさまざまな声がありました。
「誰かに頼ることを怖がらないで。」
4月1日を迎える前に「成人を迎える10代に、もしも何か困ったら周りの大人やユキサキチャットを頼ってねと伝えたい」とD×Pの取り組みを応援してくださっている末次先生にご相談したことがきっかけでこのメッセージ企画が生まれました。
ちはやふるは、競技かるたに情熱をかける高校生の綾瀬 千早(あやせ ちはや:イラスト右)の青春ストーリーです。漫画の中にはたくさんの大人たちもでてきます。10代の千早たちが長くかるたを続けられるように、そして競技かるたがこれからも受け継がれていくようにと、教えたり、一緒に考えたり、悩んだ時は手を差し伸べたり。ときには同じ競技かるたの選手として対等に向き合います。
今回、卒業式のイラストを書いていただきました。「誰かに頼ることを怖がらないで、でも頼る人を間違えないでね」と言うのは、かるた部の顧問の宮内先生です。高校を卒業し、そして成人となる千早を心配しています。
宮内先生のように「頼ってほしい」と思っている大人がいることを覚えておいてもらえると嬉しいです。もちろん、ユキサキチャットもその一人です。
末次先生からのメッセージ
思う通りにならないばかりの子供時代をすごして、いつの間にか大人になった私は声を大きくして言いたいと思います。 大人の今が一番楽しいよ。 みなさんが、成人の日々を楽しく自由に生きられますように。
【ちはやふる紹介】
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新。大人しくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー。累計発行部数は2700万部を突破。今夏、ちはやふる49巻発売。
ユキサキチャットを運営するD×Pから、成人を迎えるみなさんへ
そして、これから成人を迎える10代のみなさんへ。
はやく大人になりたかった人、いまはまだ子どもでいたかった人、いろんな人がいると思います。そんななか、わたしたちは、あなたが生きてこの日を迎えていることが嬉しいです。ようこそ。
大人になるってどんなことなんでしょうか。すでに大人であるわたしたちもまだよくわかっていないことが多いです。これから先、いろんなことを自分で選べるようになります。そんななかで困ったこともあるかもしれません。ひとりで解決しようと思うのもいいですが、さらにもう一歩進んで、誰かに頼れる人になってほしいなって思います。
困ったとき、「困った」と言えて誰かの力を借りながら、ぼちぼちやっていくことが自立なんじゃないかなと思うのです。
「大人なんだから自分で考えろ」などというような人には相談しなくてもいいです。あなたの気持ちを聞き、一緒に考えてくれる人に相談してほしいと思います。そうやって頼るべき人も自分で選ぶことができます。
あなたがこれからの人生を楽しみに思えるように、わたしたちもがんばります。あなたと一緒にこれからも生きていくことが楽しみです。
ユキサキチャットは、ひきつづき進路の相談は19歳まで、経済的に不安な方の相談は25歳まで相談ができます。困ったことがあったらお話聞かせてくださいね。