18歳成人で解決する?支援現場から見えた「19歳の壁」と周囲の大人ができること
民法改正により、ことし2022年4月1日から18歳以上が成年(成人)となります。これによって親の同意がなく契約行為が行えることとなり、クレジットカードや借り入れなどでの借金や悪質商法によるトラブル拡大が懸念されています。
認定NPO法人D×Pでは、孤立する10代をサポートしています。コロナ禍では困窮する15歳〜25歳に現金給付・食糧支援を実施し、アルバイトでひとり暮らしをする人、ひとり親で幼い子どもと暮らす人、家庭に居場所がなくパートナーや友人宅で暮らしている人、家族からの経済的援助が望めない学生など、さまざまな若年層と出会ってきました。なかでも、18歳、19歳の未成年者へのサポートにはいくつかの壁がありました。
民法の成年年齢には、一人で有効な契約をすることができる年齢という意味と,父母の親権に服さなくなる年齢という意味があります。
これまで18歳、19歳という年齢のため、保護者の同意が必要で身動きが取れなかった若者がいます。彼らにとっては18歳成人は、自力で選べる選択肢が広がります。
親の同意書がなくても、ひとり暮らしの部屋を借りることができる
Case 01
Aさんは、進学のため寮で生活をはじめましたが学費を払うことが難しくなりました。保護者とは関係性が悪く、また生活保護受給家庭のために金銭的な支援は望めません。大学が除籍になったため「退寮してほしい」と通知があり、急いでAさんの生活保護申請と住居探しを進めました。候補となる家は見つかりましたが、その候補のいくつかが、「本人が未成年のため、保護者のサインがないと契約できない」ということでした。
スタッフの声

携帯電話の契約ができる
Case 02
当時18歳だったBさんは、保護者の暴力から逃れるためひとり暮らしをしていました。支出が多く困っているという話を聞き内訳を確認すると、携帯電話の料金が高く、圧迫している状況でした。料金プランの変更を提案すると、Bさんは携帯電話ショップに向かいました。しかし、保護者の名義で契約していたため解約することができませんでした。
スタッフの声

奨学金を借りることができる
Case 03
18歳のCさんは、大学進学を機にひとり暮らしを始めました。大学入学後からアルバイトを始めて生活費を賄う予定でしたが、コロナ禍でなかなかアルバイトが決まらず学費用の貯金を生活費に充てることになりました。その後アルバイトを始めましたが、学費用の貯金を生活費として使ってしまっていたため給付型奨学金だけで学費を賄うことが出来ません。別の奨学金を借りようかと考えましたが、親と連絡が付かず、Cさんが未成年のため奨学金を借りることができない状況でした。
スタッフの声

頼れる大人の手助けがないと18歳で自立は難しい。
2022年1月31日、厚生労働省は原則18歳とされていた児童養護施設や里親の家庭で暮らす子どもや若者が支援を受けられる年齢の制限を撤廃する方針を発表しました。2021年に公表された実態調査では、退所前後で、生活費や学費など金銭的な不安等が継続していることが伺え、退所後の5人に1人が収入より支出が上回る「赤字」の状況であることがわかりました。

解除された者の実態把握に関する全国調査」よりD×Pが作成
ユキサキチャットでも、保護者に頼れず自立を余儀なくされた10代のなかには早期退学や離職、孤立や困窮状況に陥るケースは少なくありません。
コロナ禍で困窮し、D×Pの現金給付支援を希望する15歳〜25歳の経験

厚生労働省は、児童養護施設や里親の家庭で暮らす子どもや若者について原則18歳と年齢で一律に支援期間を区切るのではなく、対象となる子どもや若者が自立可能かどうかに着目する必要があると言います。継続的な支援が必要と判断した場合は、大人向けの就労支援や困窮者向けの給付金、医療機関につなぐまでの間、施設や里親の家庭、自立支援のための専門施設などで暮らせるように、児童福祉法を改正して支援対象の年齢制限をなくす方針です。
「大人なんだから」と厳しい目で見る前に
18歳成人について注意喚起を促す記事が目に入るようになり、18歳側に責任をもつことを求めすぎてはいませんか?
多くの場合児童養護施設を退所する18歳の生活が難しいという現状もあります。若者が安心して社会参加できるようにするためにも、新成人を迎え入れる大人側が環境を整えていくことも大切ではないでしょうか。
18歳成人によって、自由が生まれ選択肢が広がるメリットがある反面、「大人であること」「自立すること」を強いる社会であると、若者を追い詰めてしまう可能性があります。自立とは、周囲の人の力を借りながら生きていくこと。困ったときに、「困った」と言えて、信頼できる人に相談したり助けを求めたりすることができる状態だと思います。すでに成人を迎えているみなさんが、新成人にとっての頼り先となって共に支えあえる社会をつくっていきませんか?
D×Pの運営するLINE相談「ユキサキチャット」は変わらず進路相談は19歳まで、金銭的に苦しいという方の相談は25歳まで受け付けます。これまで同様、10代ひとりひとりの声を聴き意思を尊重しながら、相談できる環境を広げていきたいと考えています。
D×Pが取り組む社会課題は、「10代の孤立」です。
「10代の孤立」は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによって、いくつかの安心できる場や所属先を失ったときに起こります。大人と子どものはざまにいる10代は、いまあるセーフティネットから抜け落ちやすい存在。未成年という年齢的にも経済的にも自力で取れる選択肢には限りがあります。身動きも取れず行き詰まる彼らをひとりにしないために、サポートが必要です。
D×Pは、定時制高校での活動とオンラインでの活動をかけ合わせ、10代とつながります。日常的な雑談から、生徒の困りごとを拾いサポートにつなげる学校での取り組みと全国から気軽に相談できるLINE相談で10代の孤立を防ぎます。

D×Pが目指すのは、ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会です。その若者がどんな境遇にあったとしても、自分の未来に希望を持てるような社会の構造をつくります。
孤立する10代にユキサキチャットを届けたい。寄付で活動をサポートしてください。
卒業に伴い、進路・就職など選択する機会が訪れるのが10代の時期。読んでくださっている方の中にも周囲と比べて焦ったり、落ち込んだりしたことを思い出す人もいるかもしれません。ユキサキチャットの登録者は毎日増えています。コロナ禍で困窮する若年層へ食糧支援や現金給付も実施。気軽に相談できるユキサキチャットのニーズが高まっています。

わたしたちから見ると精神的に無理がかかっていると判断できる状態であっても、10代自身が自分の状況を客観的に捉えることは難しいものです。SOSすら出せず、出すとしても誰に、どうやって出せば助けてもらえるのかわからない。社会にあるさまざまなセーフティネットから抜け落ちてしまうことも多いのです。頼れる人とのつながりをなくし孤立した状況になると危険な大人とつながり事件に巻き込まれてしまうなど、深刻な状況に陥ってしまうこともあります。
10代が何度でも無料で相談でき、長くつながり続けることができるのは、D×Pの取り組みに共感し寄付をしてくださる方がいるから。
進学や就職、支援機関や公的な制度などあらゆる可能性を提案できるユキサキチャットに、新しい10代のセーフティネットの可能性を感じてくださっています。人とのつながりが得づらいコロナ時代に、寄付でセーフティネットを広げませんか?
数字でわかるユキサキチャット

あなたの寄付でできること
月1,000円のご寄付を1年間続けると、
孤立する10代1名に、ユキサキチャットでの進路・就職相談を1ヶ月間継続することができます。

月3,000円のご寄付を1年間続けると、
孤立する10代2名に、30食分の食糧支援を届け、ユキサキチャットでの進路・就職相談を1ヶ月継続することができます。

月10,000円のご寄付を1年間続けると、
孤立する10代2人に、60食分の食糧と生活費に使える給付金(3万円)を届け、ユキサキチャットでの進路・就職相談を1ヶ月間継続することができます。

まだまだ、困っている10代にユキサキチャットを届けたいと考えています。ぜひ、寄付で仲間になってください。
いますぐ寄付をする
クレジットカードを使って今すぐ寄付を始めることができます!ともに10代を支えましょう。よろしくお願いします。
今回のみのご寄付(単発)、その他の金額での寄付はこちらからできます
D×Pへの寄付は税控除の対象となります。

2015年6月8日付で、D×Pは大阪市の認定を受け「認定NPO法人」になりました。認定NPO法人とは、活動内容が適正であるとして各自治体から認定をうけた団体のことを指します。認定NPO法人へのご寄付は、税控除の対象となります。D×Pへ寄付していただくと、最大約40%のお金が戻ってきます!
よくいただく寄付に関するご質問
- 寄付金はどのようにつかわれますか?
皆様からの寄付金は、公立の定時制高校での授業や居場所事業の実施、ユキサキチャットでの相談、食糧支援や現金給付など、様々な機会提供のためプロジェクトの活動費として使わせていただいています。費目別で見ると、「人件費」が主なもので、食糧など直接10代に届ける「給付支援費」にも充てられています。活動報告書のなかにある会計報告ページで詳細にご報告していますので、ぜひご覧ください。
活動報告書・会計報告を見るD×Pは、相談者や生徒ひとりひとりを支えるにはスタッフを支えることも非常に重要だと考えています。2022年4月にD×Pは全職員のベースアップを行いました。D×Pの人件費に関する考え方は以下をご覧ください。
お知らせ:認定NPO法人D×Pは2022年4月に全職員への賃上げを行いました。- 寄付はどのような方法がありますか?
クレジットカード、口座振替、銀行振込にて対応しております。その他にも様々な寄付の方法がございます。
使用できるクレジットカードは以下の通りです。
- VISA
- MASTER
- JCB
- AMEX
- DINERS
食糧品(日用品・マスクを含む)の寄贈は受け付けておりません。詳細は、「Q.10代に食糧を直接届けたいです。D×Pへお送りしてもいいですか?」をご覧ください。
- 法人としての寄付を検討しています。相談はできますか?
ご検討いただきありがとうございます。具体的なご相談については担当の熊井がご対応しますので、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
- 月額寄付ではなく、1回のみの寄付はできますか?
はい、可能です。ご都合のいい時に、ご自由な金額でご寄付いただける「今回のみのご寄付」を承っております。今回のみの寄付をするからお手続きください。
- 月額寄付の退会はできますか?
はい、できます。D×P寄付サポーター専用 お問い合わせフォームからご連絡をいただければ、3営業日以内に対応いたします。
毎月のご寄付の方法がクレジットカードの場合は、当月の課金が最後となり翌月の課金は行われません。
月末が休業日で弊社の対応が月を跨いでしまった場合、課金が行われてしまうことがありますが、後日課金取消で対応させていただきます。毎月のご寄付の方法が銀行引落の場合は、退会の反映までに最大2ヶ月かかる可能性がございます。
- どのくらいの税制優遇を受けることができますか?
最寄りの税務署でおたずねになるか、国税庁のサイトをご確認ください。個人の方は「税額控除」か「所得控除」のどちらか有利なほうを選ぶことができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1263.htm
また、お住まいの地域によっては個人住民税の控除対象になる場合がございます。自治体によって異なるため、当団体ではお答えしかねますのでお手数ですが各自治体へお問い合わせくださいませ。
クレジットカード決済について
ROBOT PAYMENT社のシステムを利用しております。同社では、シマンテックSSLサーバ証明書を採用しており、入力情報は安全な形で送信されます。お客様情報も暗号化され厳重に保管されるため、第三者に漏れることはございません。また、クレジットカード番号は、当団体には開示されません。
個人情報について
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