D×Pタイムズ
D×Pと社会を『かけ合わせる』ニュース
D×P×10代

10代100名にパソコンを無償提供して見えた「やりたいこと」とそれができない経済的理由。IT時代に大人になる10代へ #デジタルを贈ろう

認定NPO法人D×P(ディーピー)が2020年7月から実施しているパソコン寄贈プロジェクト。2021年9月に、合計100名への無償提供が完了しました。このプロジェクトは、経済困窮家庭の10代や、在宅ワークで働きたい・いまの収入での生活が不安な10代に無償でパソコンを送る取り組みです。希望者にはプログラミングスクールや在宅ワークを提供する企業とつなぐなど、将来の選択肢を拡げます。

パソコン寄贈プロジェクトに応募した10

有効回答者数132名
学習障害があって文字を紙に書いたり、文章を考えて書くのが苦手です。 でも最近、スマホなどの端末で文字を打ち込むと、漢字や英単語を覚えられる事を発見しました。 鉛筆だと出来ないのに、端末を使うと出来るんだと分かって、すごく嬉しかったです。 パソコンのタイピングをやったほうが良いかもねと、病院の先生に言われたのですが、家は母子家庭でパソコンを買う余裕がありません。 今持っているスマホもお母さんのお下がりで、古くて通信速度が遅くて使いにくいです。
前からパソコンが欲しいと思っていて、コロナで政府から10万円給付があったときにパソコンが買えるかもと思いました。電気屋で働く知人が少し安くしてくれるとも言ってくれましたが、生活が苦しいので10万円は全て生活費に使ってしまいパソコンを買うことができませんでした。

経済的にゆとりがないと答えた10代が81.9%となりました。家庭の経済状況が厳しく塾に通えないため、ネットを使って勉強しているという声が多くありました。「スマホ画面では小さく見づらい」「途中でスマホが倒れてしまったりしてなかなか勉強に集中できない」「レポートなど長文を書くのに時間がかかる」という声がありました。学校からタブレットが貸し出しされているという10代もいましたが、アプリのダウンロードが制限されているなど、自由に使いづらい状況もあるようです。

パソコン寄贈プロジェクトに応募した10代の61.7%が「自宅にパソコンがない」

パソコン寄贈プロジェクトに応募した10代のうち、61.7%が「自宅にパソコンがない」と回答しています。家族共有のパソコンがあるが保護者が仕事で使っているなど「自分は自由に使えない」と答えた10代、パソコンはあるけれど「壊れている・古くて起動が遅く使えない」と答えた10代も合わせると、93.8%の10代がパソコンを自由に使える状況にないと答えています。

パソコン寄贈プロジェクトに応募した162名の回答

一方、総務省の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると「パソコンが家にあり、自分も利用している」と答えた10代が58.5%。パソコン寄贈プロジェクトに応募した10代と大きく差が出る結果となりました。いまや、スマートフォンは生活の必需品でありライフラインです。低価格で買えるものがあり、通信料も安いプランがあるため所持しやすくなっています。しかし、パソコンは「高くて買えない」と答える10代が多く、経済的に困難を抱える家庭では所有することが難しい現状があります。

総務省の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より作成

パソコンを使ってどんなことをしてみたいですか?

パソコン寄贈プロジェクトでは応募する際に、「パソコンを使ってどんなことをしてみたいか?」を自由記述で回答してもらっています。下の図は、1~7回目の応募者162名の自由記述から頻出単語順に大きく表示しています。

タイピングが出来るようになって、プログラミングをしてみたい。 周りの友達は、学校の授業でもタイピングが早いです。なのでパソコンを使ってタイピングの練習をしてみたい。集団が苦手で、コツコツとプログラミングをしたり何かを作り出す事は、自分の特性に合っていると思うのでスキルを身につけて、社会で生きていけたらいいなと思います。 具体的にパソコンででこれがやりたいということを書きたいけれど、まずはパソコンに触れながら慣れる事が必要だと思っています。 キーボードの位置などの初歩的なところから学びたいと思っています。 その中から、自分ができることや、得意な事が増えてきたら、さらに自分のやりたい事を選んでいけたらと思っています。
小・中学校と不登校で授業を今まであまり受けて来なかったので、まずはパソコンの操作に慣れたいです。 高校は通信制高校だったので、高校でも触れる機会がありませんでした。同級生の子と比べるとパソコンに触れる機会が少ないと思うのでExcelやWord、基本的な操作等も頑張って覚えたいと思っています。今までアルバイトを何個か経験してきましたが、人と話すのが苦手だったり、対人恐怖等、発達障害等、どれも長続きしなかったので、在宅で出来るお仕事に興味があります。高校卒業してから今、ずっと家に引きこもっている状態で暇してる状態なので、プログラミングや学習機会等も機会があれば参加したいなって思ってます。
文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で結ばれます。
学校に通えてないし家を出ることも怖いのですが、勉強は大好きで学びたいと思っています。 プログラミングもやってみたいし、オンライン授業も受けてみたいです。 今は、ITが進んでいるので、パソコン必須の仕事が増えると考えています。 コロナの影響で家でできる仕事も今後増えると思います。 今は、いろんな可能性を体験して学びたい気持ちがいっぱいあります。 ですが、親にパソコン買ってとは言えません。 シングルマザーで経済的に余裕がないのを知っているからです。 今は、学校に行くことが難しいのですが、家でもできる事が限界があります。 今からパソコンのスキルを高めて、将来にそなえて早くお母さんに親孝行したいです。
小さい頃から絵を描くのが好きで、学校に行けなかった時も絵を描くことで辛い時も頑張ることが出来ました。なので中学生なった今本格的に絵を描いてみたいと思い、応募をしました。今までアナログイラストは沢山描いてきましたが、デジタルイラストはまだ描いたことがありません。パソコンが届いたら、ペンタブレットと接続し、デジタルイラストを描いてみたいです。そして、私のイラストを見てくださった方の心の癒しになれば良いなと思います。私自身も勉強などで心身ともに疲れた時に、Twitterなどで見るイラストにとても癒されます。イラストにはとても凄い力があると私は思います。なので、コロナ禍の今、心の拠り所が1つでも多くなるように 私もTwitter等にイラストを載せてみたいなと思います。

パソコンを受け取った10代の声

これまでは家にはパソコンがなく、無料の学習支援を行なうNPO団体から古いパソコンを一時的に借りてプログラミングなどの勉強をしていました。パソコンをもらってから、小学生にプログラミングを教えるバイトを新しく始めました。
将来の夢も持てず何も考えることもできないでいたけど、就職したときにパソコンが使えるように頑張れています。何も考えることができなかった自分がパソコンを使うことによって色々考えるようになり成長できたと思います。
パソコンが手元に届いてからは、ブラウザゲーム等を利用してタイピングの練習を主にしています。 少しづつではありますが、リズム良く入力することができるようになりました。 やはり実際に使ってみると、スマホでパソコンの使い方を調べて頭で覚えるよりも、断然早く身につくと改めて実感しました。
パソコン寄贈プロジェクト4回目で届けた10代の回答(N=26)

69.2%の10代が新しくやってみたいことが増えたと回答しました。具体的には「デザインやウェブマーケティングに興味がでました!!」「以前からプログラミングや動画編集をしてみたかったので、今少しずつできるようになってきて、嬉しいです」「webスキルをつけて起業したいと思った」「作曲や音源のMIXをやってみたいと思った」「ホームページを作ってみたい」などの声がありました。

さまざまな挑戦をする10代から写真も届いています

10代に寄贈するパソコンは、株式会社GET IT様、group BJ様、合同会社日本の田舎は資本主義のフロンティアだ様、キャタピラージャパン合同会社様、個人寄付者の皆様よりご寄付いただきました。

「なにかやってみたい!」と考える10代が不自由なく使えるようにD×Pでは寄贈できるパソコンの要件を定めています。

寄贈要件
ノートパソコンである/メモリが8GB以上である/
WIndowsの場合:OSがWindows 8以降である/Macbookの場合:2013年以降に発売されたものである など

この要件を満たし、さらに「自分でも使いたいくらいのスペックのパソコンを」と寄贈してくださった方もいらっしゃいます。10代が自分の可能性を拡げていくことを一緒に応援していただけることが嬉しいです。ご協力いただき、ありがとうございます。

これから大人になる10代へ。寄付で、#デジタルを贈ろう

D×Pでは、パソコンの無償提供のほかにも無料でプログラミングを学ぶ機会の提供など10代が自身の可能性を拡げる機会を作っています。また、オンライン相談事業「ユキサキチャット」を運営するなど、孤立する10代とつながる仕組みも整えてきました。

不登校・中退・経済的困難などを抱える10代の進路・就職相談窓口。LINEで相談できます。

現在、オンラインでつながる10代は6,237人(2021年9月末まで)となり、ユキサキチャットの利用者は急増しています。

人には、たくさんの可能性があります。しかし、不登校・中退・経済的困難などさまざまな背景で孤立することによって、可能性が閉ざされている10代に出会うことが多いです。ひとりひとりと話をし関係性を築いていくなかで、だんだんと本来持っている自分を発揮してゆく姿に驚くことがたくさんあります。

わたしたちが目指すのは、ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会。どんな境遇にあったとしても自分の未来に希望を持てる社会の構造をつくりたいと考えています。

わたしたちの取り組みに寄付で参加しませんか?

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今回のみのご寄付(単発)、その他の金額での寄付はこちらからできます

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よくいただく寄付に関するご質問

寄付金はどのようにつかわれますか?

皆様からの寄付金は、公立の定時制高校での授業や居場所事業の実施、ユキサキチャットでの相談、食糧支援や現金給付など、様々な機会提供のためプロジェクトの活動費として使わせていただいています。費目別で見ると、「人件費」が主なもので、食糧など直接10代に届ける「給付支援費」にも充てられています。活動報告書のなかにある会計報告ページで詳細にご報告していますので、ぜひご覧ください。
活動報告書・会計報告を見る

D×Pは、相談者や生徒ひとりひとりを支えるにはスタッフを支えることも非常に重要だと考えています。2022年4月にD×Pは全職員のベースアップを行いました。D×Pの人件費に関する考え方は以下をご覧ください。
お知らせ:認定NPO法人D×Pは2022年4月に全職員への賃上げを行いました。


寄付はどのような方法がありますか?

クレジットカード、口座振替、銀行振込にて対応しております。その他にも様々な寄付の方法がございます。

使用できるクレジットカードは以下の通りです。

  • VISA
  • MASTER
  • JCB
  • AMEX
  • DINERS

食糧品(日用品・マスクを含む)の寄贈は受け付けておりません。詳細は、「Q.10代に食糧を直接届けたいです。D×Pへお送りしてもいいですか?」をご覧ください。

法人としての寄付を検討しています。相談はできますか?

ご検討いただきありがとうございます。具体的なご相談については担当の熊井がご対応しますので、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

月額寄付ではなく、1回のみの寄付はできますか?

はい、可能です。ご都合のいい時に、ご自由な金額でご寄付いただける「今回のみのご寄付」を承っております。今回のみの寄付をするからお手続きください。

月額寄付の退会はできますか?

はい、できます。D×P寄付サポーター専用 お問い合わせフォームからご連絡をいただければ、3営業日以内に対応いたします。

毎月のご寄付の方法がクレジットカードの場合は、当月の課金が最後となり翌月の課金は行われません。
月末が休業日で弊社の対応が月を跨いでしまった場合、課金が行われてしまうことがありますが、後日課金取消で対応させていただきます。

毎月のご寄付の方法が銀行引落の場合は、退会の反映までに最大2ヶ月かかる可能性がございます。

どのくらいの税制優遇を受けることができますか?

最寄りの税務署でおたずねになるか、国税庁のサイトをご確認ください。個人の方は「税額控除」か「所得控除」のどちらか有利なほうを選ぶことができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1263.htm
また、お住まいの地域によっては個人住民税の控除対象になる場合がございます。自治体によって異なるため、当団体ではお答えしかねますのでお手数ですが各自治体へお問い合わせくださいませ。

クレジットカード決済について
ROBOT PAYMENT社のシステムを利用しております。同社では、シマンテックSSLサーバ証明書を採用しており、入力情報は安全な形で送信されます。お客様情報も暗号化され厳重に保管されるため、第三者に漏れることはございません。また、クレジットカード番号は、当団体には開示されません。

個人情報について
ご登録いただきましたご住所・お電話番号・メールアドレス等の個人情報は、活動報告のためのメールマガジン送付、資料のご郵送、領収書のご郵送、お電話でのご確認のみに使用します。ご本人様の承諾なしに第三者に提供することはありません。


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