僕が、D×Pを支援する理由|リツアンSTCの野中社長×代表今井の対談が実現
認定NPO法人D×P(ディーピー)は、多くの方々の寄付によって活動している寄付型のNPO法人です。
この度、法人寄付をはじめ様々なご支援をいただいている、株式会社リツアンSTCの野中社長と、D×P代表今井の対談企画が実現。今井自ら、野中社長に日頃の感謝の気持ちを伝え、D×Pを支援して下さる理由について伺いました。
また、今回の記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズの高野美菜子(こうのみなこ)さんにご協力いただきました。
野中社長がD×Pに寄付をする理由は?
今井:野中社長、いつもご支援いただきありがとうございます。
これまで社長と色々なお話をしてきましたが「なぜD×Pをこれほどまでに支援していただけるのか」という点について、深くお聞きする機会がありませんでした。今日はぜひそのあたりについて、お伺いできればと思います。
野中:僕がD×Pに寄付させてもらっている理由はいたってシンプルで、今井ちゃんの人柄と、D×Pの事業に深く共感しているから。
あと基本的に僕には「お金を残す」という発想がないんだよね。事業で成功したら、まずは社員に給料を支払い、残ったお金は社会に還元する。それが、今の時代に合うやり方だと思っているから。
世の中って、役割分担なんだよ。お金を稼ぐことが得意な人もいれば、今井ちゃんのように、政府や行政の手が行き届かない社会課題を解決することが得意な人もいる。僕はお金を稼ぐことは得意かもしれないけれど、社会課題を解決するプロフェッショナルではない。
だったら、寄付という形でお金を投資して、そのお金で、D×Pのような人達に社会課題を解決してもらう。そうすれば、社会がもっとより良くなるし、みんながHAPPYになるよね。
今井:素晴らしい考え方ですね!ただどうしても、自分が頑張って稼いだお金は、個人資産のような形で「自分たちに残す」という考え方の方が一般的なように思いますが…そのあたり、野中さんはどう思われますか?
野中:そういう考え方があってもいいと思うよ。僕も、全ての人に寄付を強制したいわけじゃない。でも僕には根本に「自分のお金を社会に還元する生き方って、男としてめちゃくちゃかっこいい」という想いがある。男のロマン、とでも言うのかな(笑)
小学校の時に親父から聞いた「梅屋庄吉という日本の実業家」の話が今でも印象に残っていてね。彼は、中国で1911年に起こった辛亥革命の時、指導者である孫文の想いに共感して、自分の持つ多額の資金を投じて、人生をかけて支援した。
※辛亥革命:1911年に中国で起こった、清朝を倒し中華民国を樹立した中国の共和主義革命。この年が干支の辛亥の年にあたる。
今の紙幣価値に換算すると、1兆円以上の資金援助だったらしいね。孫文は梅屋庄吉やその他の支援者からの援助を受けて革命を進め、それによって中国の新たな歴史が開かれた。表向きにはあまり語られないけれど、孫文の影にはそうした多くの支援者がいた。
そんな支援者達の生き方に、僕は男の美学を感じるし、自分も少しでもそこに近づきたいなと思ってる。
今井:進学校として有名な灘中学校・高等学校は、地元の酒蔵が子どもたちの教育のために資金を投じて設立した学校ですよね。実際に灘校は、日本を支える多くの才能ある若者を世に送り出し続けている。
現在でも、寄付という形で社会に還元する事業家はたくさん存在しますが、当時はこのような人達がもっと多かったのかもしれませんね。
野中:先人たちは、戦争といった大変な状況の中で、命がけで今の日本を築き上げてくれた。僕達はその土台の上で、今、商売をさせてもらっているだけ。そのことを忘れてはいけないし、僕達も先人の意志を受け継いで、できるだけ世の中のためになることをやっていきたいよね。
寄付することで得られたプラスの効果
今井:法人として寄付をしていただいたことで、リツアンさんにとってプラスになったことはありますか?
野中:やっぱり会社の社会的信用度が上がったことだと思う。僕も社員も「自分たちは社会を良くするための意義ある仕事をしている」という誇りを持って働いているけれど、その価値が、世間にうまく伝わっていないと感じることも正直ある。
でも「NPO法人への寄付」という形で社会貢献を行なうことで、リツアンの信用度が上がり、就職を希望する学生さんが増え、さらには関係者や取引先からの信頼度もぐんとあがったと思う。これは非常に有り難いことだよね。
今井:それが聞けてとても嬉しいです。ありがとうございます。
それに、野中さんは「NPO」と「株式会社」を区別せず捉えておられるところも素敵だなと思います。ビジョンや追求する未来は共通で、違うのは「活動のフィールドやターゲット」だけ。この感覚を共有できるのが、非常にありがたいですね。
野中:「世の中を便利にする」「社会の課題を解決する」という意味では、NPOも株式会社も、やっていることは一緒だよね。「NPO」と「株式会社」を無理に分けて考える必要はないし、そこに上下関係は存在しない。さっきも言ったように、役割が違うだけなんだよ。
自分たちが得意なところでそれぞれが頑張ればいいし、お金が必要なら、そこに循環させて活用してもらえばいい。シンプルな話だと思うよ。
子どもへの支援を大切にしている理由
今井:野中社長は昔から、子どもや若者の支援に力をいれておられるように思います。
D×Pへの寄付を始め、東大や京大の近くでオフィスを建て、学生が自由に使えるようにしたり、野中さんの地元である静岡県の掛川(リツアンの本社がある)で、障がい者社員の駄菓子屋「横さんち」を運営したり、地方の教育を盛り上げる「教育フェス」を企画したり…。若者や子どもたちの支援に対して、何か特別な思いをお持ちなのでしょうか?
野中:世の中の未来をつくるのは間違いなく若者。だから、彼らをどんどん応援したいという気持ちは、ずっと前から持ってる。特に、若くて才能に溢れてすごく優秀なのに、埋もれてしまっている若者を見ると、「めちゃくちゃもったいない!何とかならないのか!」…と、いつも思う。
寄付することも然り、人をつなげたり、貴重な経験の機会をつくったり…。色々なやり方はあるにせよ、彼らに正しく光があたるようにしたい、という気持ちは常に持っているね。
今井:素晴らしいですね!
僕も、日本で困難や孤独を抱える10代のセーフティーネットになるべく、D×Pを続けてきました。しかし、現在支援が必要だとされている100万人のうち、僕達がリーチできているのはわずか1万人に過ぎません。まだまだ、僕らの支援や情報が彼らに行き届いていないのが実情。
そこで今回、オンライン広告などに加え、大阪の南の有名なグリ下(大阪・ミナミの「グリコ」看板下の遊歩道)から徒歩5分の場所にある建物を改装して、若者が気軽に集まれるユースセンターをつくることにしました。50坪なので、欧州のユースセンターに比べれば小さいですが、僕らにとっては大きなチャレンジなんです。
野中:今井ちゃんがやっていることは、今の日本にとって、本当に大事なことだと思うよ。D×Pによって救われた若者たちが、未来の日本をつくっていくんだから。僕たち大人が偉そうにして、若者の邪魔をしちゃいけないと思う。
今、僕らが東大生を静岡県の掛川に呼んで、教育や地方創生のプロジェクトを進めているのは、実は20年先を見据えた取り組みなんだ。最近は、東京生まれ・東京育ちの子も多いから「地方創生だ、地方活性化だ」と言われても、全然ピンとこない。
そんな彼らが静岡の掛川に来て、地方の現状を肌で感じることで、「彼らにとっての地方」が掛川になる。そうすれば20年後、彼らが「地方創生」や「日本を元気にする」というテーマにぶつかった時、きっと掛川を思い浮かべてくれる。それは掛川にとってもいいし、日本にとっても良いことだと思う。
未来を見据えて、後からじわじわ効いてくるものをつくりたいよね。今すぐじゃなくてもね。
今井:すごい、良いですね!
そういった意味では、社会課題を解決するD×PのようなNPO法人が、若者が憧れられる職業になるといいですよね。そしたらもっと、世の中は面白く、より良くなっていく。僕もしっかり頑張ります!
執筆:高野美菜子(株式会社ストーリーテラーズ)
「今井さんと野中社長、お二人の熱いトーク。「世の中に少しでも還元したい。若者を救い、光をあてたい」そんな純粋な志に触れ多くのことを学ばせていただきました。」
NPO法人D×Pは、多くの皆さんの寄付により支えられています。
この記事が、一人でも多くの方の目にとまり、寄付の輪が広がっていきますように。
「法人寄付で応援」してみませんか?
わたしたちは、既存のセーフティネットでは拾い上げられなかった10代と出会い、社会につなげていく役割を果たします。
生きづらさを抱えた10代が、この社会で生きて・活きることができる新しいセーフティネットをつくっていきたいと思っています。
あなたも、不登校経験・経済的困窮・発達障害などの生きづらさを抱えた10代を孤立させないセーフティネットをつくりませんか?
わたしたちは、みなさまからのご寄付を収入に活動を続けています。どんな境遇にあっても、「生きていける」と思えるようなつながりを得られる社会を、わたしたちと一緒に実現する仲間になってください。