"技量より、迫力。負のパワーのほうがいい"-Tシャツをデザインした高校生に話を聞きました

2014年5月12日(月)〜5月18日(日)までの1週間期間限定で、
高校生がデザインしたTシャツが売り出されています。
http://jammin.co.jp/

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このTシャツのデザイン原案を制作してくれた
高校生「KENJI」に、デザインをしてみての感想や、
自分の絵のこと、これからのことについて話を聞かせてもらいました!

絵は、音楽の付属品。

—今回、KENJIが描いた絵が実際にTシャツとして売りだされることになったけど、今回の商品デザインについてはどうだった?
KENJI:これまでは誰かに絵を見せることはあっても、なにか形になることはなかった。
Tシャツになるとまた絵の雰囲気も変わる。新鮮な感じだった。

—KENJIにとって、「絵」ってなんなんだろう。
KENJI:絵は、音楽の付属品。音楽がないと絵をかかない。
というか、音楽ないと(自分は)死んでいると思う。

—まさにNo Music No Lifeか。どういうジャンルを聴くの?
KENJI:ロック、HIP HOPなど、なんでも聴く。洋楽が主。
音楽聞きながら、絵を描く。音楽のイメージに合わせたり、
その音楽のCDのジャケットを意識して描くこともある。

—普段は、どのぐらいの頻度で絵を描くの?
KENJI:最近減ったけど、週1回くらい。思いついた時に、忘れないうちに描くようにしてる。

—その意味だと、今回のTシャツのデザインプロジェクトは、「思いついたときに描く」じゃなくて「依頼されて描く」というものだったから、結構大変だったんじゃないかなと思ったんだけど。実際どうだった?
KENJI:いや、そんな大変じゃなかった。

 
—そうなんだ。今回まずデザイン案を2つ書いてきてもらったよね。どちらも「人物」の絵だった。

▼Tシャツ制作の際に、KENJIが出してくれたデザイン案2つ
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—この2案すごくよかったとJAMMINの高橋さん(Tシャツの販売元)からは言ってもらえたけど、「女性モノのTシャツもあるから、ユニセックス(男女兼用)になるように、“人”じゃなくて”物“の絵を描いてきてほしい」と言われたよね。KENJIは、これまで”人”の絵を描くのが主だったけど、今回そういうオーダーがあって、”物”の絵を描いてきてくれた。そのうちの一つの案が、今回Tシャツとして採用されたサングラスの絵だったね。

KENJI:いや、(4案つくるのは)そんな大変じゃなかった。
前に、思いついたものの焼き直しもあった。ビルの絵や自転車の絵は、前に描いたものの焼き直し。

 ▼以下がサングラスの絵の原案。原案では、マスク、ヘッドフォンもついたイラストだった。

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▼その他のデザイン案3つ。

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—じゃあ、「依頼されて描く絵」っていうのはそんなにいやじゃなかったんだね。つまりね、アート展※で絵を描くのと、商品をつくるための絵を描くことは、全然違うことだからさ。※2013年2月、KENJIは大阪アメリカ村のギャラリーでD×Pとともにアート展を開催した。
KENJI:アート展は、つかれた。

—つかれた(笑)
KENJI:アート展、もう10年以上前みたいな感じ。

—2013年2月にアート展を開催したので、1年前なんですが(笑)
でも、それだけこの1年で変化が大きかったっていうことなのかもしれないね。
1年前は、バイトも始めていなかったもんね。
KENJI:そう。アート展をやったときは、今と比べて絵を描く効率が悪かったから疲れたのだと思う。
絵の具で描くのも大変で、難しかった。今回(のTシャツのデザイン)は商品として、
「こういうのあればいいな」と思って作った。

—なるほど。
KENJI:僕は目標もないので、アート展では何を描いたらいいのか迷ったから、指定してもらったほうがいい。
事細かにオーダーされると難しいけど、今回は「人じゃなくて、物で」っていうことだったから。 

ー今回は、いい意味でばっくりしたオーダーだったよね。今後、こういう商品をデザインする機会があったら、またやる?
KENJI:頼まれたらやる。ちゃんと仕事しとかないと路上生活者になるから。
危機感がある。仕事なくなったときが困るから、頼まれたらやる。

—「路上生活者になるから」って前からよく話してるよね。
KENJI:でも、クリーン過ぎる団体の絵は描けないかもしれないと思う。
ちょっと尖った表現をしていいところなら描ける。汚い絵を描きたいと思う。
そのへんの絵って、「綺麗なもの」が多すぎると思う。
そんないいことばっかじゃない、というか。綺麗なものはあまり好きじゃない。

技量より、迫力。負のパワーのほうがいい。

 —世の中そんな綺麗なことばっかりじゃないぜ、ってこと?
KENJI:そんな大きいことを言ってるわけじゃないけど、直感で。綺麗なだけの絵は苦手だなと思う。

—「綺麗な絵」って例えばどんなもの?
KENJI:花を描いた絵とか、ただ綺麗なだけのもの。
なにか、匂い立つようなもののほうがかっこいいと思う。
音楽でも、パンクロックを聴くと、汗が飛んでくるような、迫ってくるようなものがある。
あれがいい。ファンキーなもの、ちょっと汚れているほうがいい。

—汗が飛んでくるような感じ。
KENJI:ぶっさいくでいい。汚いほうがいい。例えばだけど、
パンク調なら、キャラクターをぶっさいくな顔に描いても、その世界観のなかならかっこよく見える。

—音楽も絵も同じなんだね。
KENJI:最近の音楽は綺麗すぎるなと感じている。歌詞も綺麗にまとまっている。
それはそれであっていいと思うけど、でも自分は好きじゃない。
綺麗さよりも、質感のほうが大切だと思っている。
技量より、迫力。負のパワーのほうがいい。

▼最近、KENJIのスケッチブックに描かれた絵。

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—負のパワー!KENJIの絵からは、負のパワー感じるよ。
KENJI:90年代くらいのロックが好き。音楽も歌詞も暗くて、ヘビーな感じ。

—初めて学校で今井に会った時は覚えてる?D×Pの授業(クレッシェンド)を受けたときだね。1年前のアート展が10年以上前に思えるなら、もう忘れてるとは思うけど…。
KENJI:それこそ(D×Pの授業を受けた時なんて)30年前のような感じ…。
最初は何をする授業なのかわからなかった。必要な単位だったから授業に行っただけ。 

—クレッシェンドで、印象に残っていることかはある?
KENJI:もうほんとに忘れたけど。話しやすかった。
誰と話しやすかったかとかは、覚えていないけど、全員と話しやすかったと思う。

—複数回ある授業で、単位がとれるのは最初の1回目と2回目だったと思うのだけど、
3回目以降の授業は行かなかったんだっけ?
KENJI:(3回目以降も)絵を見せに行ったり、何度か行った。

 —絵を見せに行った経緯は?
KENJI:得意なことがなにかと聞かれて、絵を描くことだと答えたら、次もってきてよと言われたから。
その時の絵と今の絵は大分違うけど。

—絵も変わってきたんだね。
KENJI:最近は、自分の絵の世界観的なものが定まってきたようなかんじ。いい意味でワンパターン化してきた。
誰が描いたかが、絵を見てすぐわかるようなものでないといけないと思う。
昔の有名な画家も、ぱっと見ただけでその人の絵だとわかるけど、それと同じ。

—音楽の好みも、定まってきた?
KENJI:HIP HOP、ロックが好きだけど、そのジャンルだから好きというわけじゃない。
いろんな音楽性があるバンドがいい。ハードだけじゃなくて、バラードもいけるような。
ロックはロックでも、ギタリストが速弾きしているようなものはあまりすきじゃない。
何か表現するわけじゃないから。

—その話、さっきの「綺麗なだけのものは描く意味がない」っていう話と似たものを感じるなと思った。メタルも綺麗なだけの絵も、結局「何も表現していない」というところで共通点があるよね。KENJIが世界観的なものが定まってきたというのも、わかる気がする。自分のなかの考え、哲学みたいなものが、定まってきたのかもしれないね。
KENJI:どうだろう。笑

 —いま高校3年生だけど、卒業後のイメージはなにかある?
KENJI:あんまりないけど、今はいくつかアートスクールを見学している。
絵は、これまで完全に我流でやってきていて、根本的なところを練習したことがないから、
基礎的なところを知りたいなと思っている。

#おわり#

***KENJIがデザインしたTシャツ”BE CRAZY”は期間限定で以下サイトから販売中***

http://jammin.co.jp/

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プロフィール
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KENJI
1996年生まれ、高校3年生。大阪市内の通信制高校に在籍する。音楽(主にロック、HIPHOPなど)を聴きながら、スケッチブックに絵を描く。「綺麗なだけの絵は描かない。なにか匂い立つような、汚い絵を描きたい」と語る。”負のパワー“にみなぎった深いタッチが特徴。2013年2月に大阪アメリカ村でアート展を開催。

彼のその他の作品は、Tumblrからもチェックできる。
http://kenjitsukamoto.tumblr.com/

 

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