「この先は生きていけると思えた」ユキサキチャットで出会った、両親みたいな存在
高校2年生まで両親と暮らしていた、めろさん(仮名)。
親からの日常的な暴言や暴力を「これが普通」と聞かされ、誰にも相談できないまま過ごしてきました。高校の先生への相談をきっかけに状況を見つめ直し、児童養護施設で暮らすことに。
早く自立したいという気持ちのなか、「自分で生活できない、仕事も家もない」という不安を抱えていた、めろさん。ひとりでネットの検索を重ねるなかで、たどり着いたのがLINE相談「ユキサキチャット」でした。
そこから、めろさんの「安心」がどのように形になっていったのかを聞きました。
家を出ると決めて、児童養護施設へ
親からは私の態度やちょっとしたふるまいに対して、突然叩かれたり、きつい言葉をかけられたりすることがよくありました。それを「これが普通だ」と言われて育ってきたので、誰かに相談しようという発想を持てずにいました。
あと、親から私について「頭が悪いのが耐えられない」とよく言われ、私としてはただ普通に生活しているだけなのに、どうしてなのか分からず困惑していました。
そんなとき、高校の副校長先生に相談したことで、初めて「今の状況はおかしい」と気付けた気がします。それから児童養護施設にお世話になりました。ただ、「早く自立したい」という思いが強かったのですが仕事も家もなく、どうしたらいいのかという状態でした。
「家がない」「お金がない」を検索し続けて
ひとりで悩むことに限界を感じて、とにかくネットで調べました。「家がない」「お金がない」「若者 どうする」みたいなワードでずっと検索していました。検索して出てきた窓口に、LINEやメールで片っ端から連絡しました。いくつかお話を聞いていただいた窓口もあるんですが、状況の解決に向けた具体策は思い浮かばず、「どうすればいいんだろう?」ってなることも多かったです。
ユキサキチャットは、最初に「ビデオ通話しましょう」と言われて、正直ちょっと嫌だったけど(笑)。つないでみたら、今の状況を踏まえて「こう進めてみましょう」と具体的な道筋を一緒に考えてくれました。
支援機関との仲介もしてくれて、「ここは話を聞くだけではなくて、本当に助けてくれる場所なんだ」と感じました。
ユキサキさんは第二の両親みたいな存在
ユキサキチャットの相談員さんには、本当に親切にしてもらいました。家を借りる時のサポート、交際相手と揉めたときのアドバイスや、精神的に荒れていた時期の寄り添い。
物的支援と精神的支援のどちらもあったのが印象的で、私にとってユキサキさんは第二の両親みたいな存在です。

段ボールいっぱいの食べ物と、心強かった現金給付
施設を出てすぐの頃、私はほぼ無一文でした。現金給付は着るものや生活必需品を揃えるための大きな助けになりました。「人間らしさ」のようなものを取り戻せる感じがしました。
食糧支援も段ボールでたくさん届いて、レンジで温めればすぐに食べられるものが多かったのが良かったです。ひとり暮らしを始めたばかりの頃は調理器具を揃える余裕もなかったので。
お米も本当に助かりました。正直、それまでお米ってあまり好きじゃなかったんですけど、その時は美味しく感じました。
あと「もう、この先は生きていける」って思えました。
※D×Pが実施する食糧支援・現金給付とは?
親など周囲に頼れない若者が、安心できる環境を整えるために実施しています。1箱には約30食(約1ヶ月分)、入れる食品はお米、レトルトカレー、パスタ、パスタソースなど。必要な場合は、食糧支援のほか、現金給付も実施しています。ユキサキチャットでの継続した相談サポートを掛け合わせ、福祉制度につなぐなど相談者が他にも頼れる先を増やしていきます。

明日のごはんを心配しなくてよくなった
食べ物の心配がひとつ減ったのは大きかったです。考えることが山ほどあるなかで「明日のごはんどうしよう」と考えなくてよくなった。それだけで安定に近づいたと思います。
ひとり暮らしが始まったときは、支払いとか生活のことをユキサキチャットでよく相談していました。みんなが親に聞くようなことを私は相談員さんに全部話していたと思います。
支援があることを、もっと多くの人に知ってもらいたい
私のまわりには、親とのトラブルや生活の大変さ、メンタルの不調を抱える友達が多くいます。でも、支援してくれるところがあることを知らない子が多い。
「調べたらいっぱいあるよ」とは伝えるけど、そもそも動けない状態の子もいます。だから、もっと多くの人に知ってもらえればいいなって思います。SNSに「助けて」と発信する人は多いですが、怪しいメッセージも集まってくるので、なおさら「ちゃんとした情報」が届いてほしいって思います。
こうした支援をもっと多くの人に知ってもらって、困っている人は支援を受けて、少し元気になってほしい。毎日食べて、生きていればなんとかなるから、生きていてほしい。ちょっと調べるだけで少しよくなるかもしれない。そう伝えたいです。
「元気にしてます」と伝えてください
ここ数年話せていない相談員さんもいて、また少し話せたらいいなと思っています。元気でやっていると伝えてください。正社員になれたら、また報告します。
※インタビュー後、めろさんは正社員に内定されました。

インタビュー:岩井純一/執筆:芳本良輔/編集:熊井かおり
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