定時制・通信制高校には、さまざまな事情を抱えた高校生がいます。
経済的に苦しかったり、発達障害・学習障害を持っていたり、
過去の経験から人間不信になっていたり、
外国にルーツがあって言葉にハードルがあったり。
バックグラウンドは、それぞれ違います。
通信制高校の卒業生の約4割、定時制高校の卒業生の約3割が、進学も就職もしないまま卒業しています。(全日制高校は5%です)
人とのつながりがつくれず自分の未来に希望を持てないまま、社会に放り出されているのです。
わたしたちは、「人とのつながり」がこの社会をいきてゆく土台となりセーフティーネットになると考えています。そこで、生きづらさを抱えた10代が多く集まる通信制・定時制高校で「人とのつながり」をつくる取り組みと高校生が卒業後も自分らしく生きていくことができるように、進路や就職に関するサポートを行い「いきるシゴト」を一緒に考える取り組みを行っています。
これまで高校生と関わるなかでわかってきたことは、卒業後に頼れる人や場所が激減し、早期退職につながったり、適切な福祉的支援が受けられず孤立していくケースが多いことです。高校生が学校を卒業したあとも、人とつながることができる未来をつくりたいと思っています。
D×Pは、全国で初めて、通信制高校・定時制高校で正規の授業(単位認定されるカリキュラム)を受け持っているNPOだと言われています。2012年に設立以来、総計3,000名以上の高校生にプログラムを届けてきました。現在は、関西5地域・関東・北海道に活動を広げています。
より厳しい環境にいる生徒が多く在籍する公立の定時制高校でそれを可能にしているのは、文部科学省、自治体や教育委員会の予算に頼らず、お一人おひとりの「ご寄付」によって運営をしているためです。
例えば、写真が上手だったり、SNSのフォロワーが多かったり、料理が得意だったり、気遣いが上手だったり、映画に詳しかったり などなど。
D×Pは、高校生が「かわいそうだから」支援をしているのではありません。彼らは生きづらさも抱えていますが、一方で大きな可能性も秘めているとも思うからです。
どんな境遇にあったとしても、周囲の人の手を借り、自分の未来を信じて生きていけたら。そんな彼らが大人となってつくっていく社会を想像すると、ワクワクしませんか?
「生きていける」と思えるような“つながりを得られる社会”は、きっとわたしたち誰にとっても大きなセーフティネットになるはずです。