若者の「働く一歩」を支える飲食の仕事体験プロジェクト開始

このたび、ユース世代の支援を行う「認定NPO法人D×P(ディーピー)」では、サントリーホールディングス株式会社からのご寄付を受け、若者の「働く一歩」を支える飲食の仕事体験プロジェクトをはじめました。

繁華街に集まる若者が、安心して働くことを試し、自分に合った働き方を探せるモデルづくりを進めていきます。

繁華街のユースセンターで、「働く」を試せる飲食の仕事体験を提供

大阪府ミナミの「グリ下(道頓堀のグリコ看板下)」から徒歩5分、繁華街の中にある「ユースセンター」を拠点に、飲食の仕事体験を提供していきます。

既存の制度や、決まった時間・人間関係・作業ルールなど一般的な仕事の枠組みに馴染みにくい若者が、安心できる環境の中で働いてみる経験を重ねることで、自分の働き方への理解を深めていくことを目指します。

家庭環境や生活リズム、対人関係のつまずきなどを背景に、公的な制度や一般的な職場のルールになじみにくい若者がいます。そうした若者は、「働きたい」と思っても、そもそも「働く入口」に立ちにくい状況に置かれがちです。十分なサポートにつながれないまま時間が過ぎると、選べる仕事や進路が限られ将来の選択肢が狭まっていく可能性があります。

D×Pは、このような制度のはざまに置かれやすい若者が、安心して「働くことを試せる場」が必要だと考えています。

本プロジェクトでは、飲食の仕事を体験しながら、若者自身が「自分はどんな働き方なら続けられそうか」を確かめていけるよう、役割や関わり方を一緒に選んでいきます。うまくいかなかった場面や、難しさを感じた場面も、スタッフと振り返り、次の一歩につなげます。

どんな体験が若者のニーズに合っているのかを検証するため、少人数から試行を重ね、将来の働き方につながる実践的なモデルづくりを進めていきます。

モデルづくりに向けたロードマップ

本プロジェクトは、2025年9月から2026年8月までの2か年で展開する計画です。

  1. 1年目

    ・少人数の若者を対象に、クローズドな環境で飲食の仕事体験を実施
    ・ひとりひとりにとって必要な機会やサポート内容を模索
  2. 2年目

    ・対象とする若者の幅を広げ、よりオープンな形での運営へ
    ・実際の仕事に近い状況での試行も行いながら、支援モデルを構築
    ・体験が若者にもたらす変化を、定量・定性の両面から検証
    すでにユースセンターで飲食の仕事体験を2回実施し、1人(のべ2人)の若者が参加しました。

はじめて開催した飲食の仕事体験では、オムライスをつくりました

飲食の仕事体験は今後も定期的に開催し、働く体験が若者の自信や将来の選択にどのような影響をもたらすのか、継続的な調査や検証を行なっていきます。

こうした取り組みを通じて得られた知見は、政策提言や全国の若者支援の現場にも生かしていく予定です。

参加した若者の声

飲食店で働いた経験がある若者は、体験参加後に次のように話していました。

「久々に働けて嬉しかった。ブランクが長すぎたからちゃんとできるか、指示通り動けるか不安だったから。最後に飲食したのが2年半くらい前やから。」
「ごちそうさまでしたと言われるのが嬉しいですね。目に見えて感謝の気持ちを示されたら嬉しいです。厨房だったら厨房で分けられるから、言われることなかった」

若者が無理のない関わり方から始められる 「飲食体験」 によって、自信や関心の芽を育むことを目指していきます。

サントリー次世代エンパワメント活動「君は未知数」

子どもたちの可能性は未知数。生まれ育つ環境や状態にかかわらず、その可能性を全ての子どもたちがひらくことができる社会を実現する。それが私たちの想いです。思春期世代を主な対象として、この分野で先駆的・継続的に取り組んできたNPOなどと協働しながら、子どもたちが未知や他者と出会う機会をつくります。

D×Pのユースセンターについて

D×Pが運営するユースセンターは、大阪有数の繁華街・ミナミの「グリ下(道頓堀のグリコ看板下)」から徒歩5分の場所にある、若者のための居場所です。ごはんを食べたり、休んだり、スタッフと話したりしながら、安全に過ごせる空間をつくっています。2023年6月の開所以降、これまでの利用者数はのべ10,000人を超えました。

ユースセンターが中継地となって、世の中にある多様な社会的資源につながり、若者ひとりひとりが自分なりに生きていけるような環境をつくることを目指しています。

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