2014年2月15日(土)YMCA学院高等学校にて、クレッシェンド第3回の授業が開催されました。
今回は8名の高校生が参加してくれました。
通信制高校の生徒のためのキャリア教育プログラムです。さまざまな仕事をしている社会人ボランティアや、大学生ボランティアとの交流を柱として、生徒の自己肯定感の向上と社会関係資本の獲得を目指しています。
クレッシェンドでは1クラス(最大10名の生徒)に対し、3ヶ月間で全4回の授業を行います。
今日のアイスブレイクは「フィンガーファイト」。
このゲームはちょっと説明が難しいので割愛しますが、要は3人4チームに分かれての対抗戦ですね!様々なお題をチームごとにクリアして、点数を競うものです。
一番盛り上がっていたのは、「インディアンポーカー」でした!
トランプのカードをとり、自分には見えないように頭の上に掲げます。
(自分の手持ちカードは見えないけれど、他の人の掲げているカードは見える状態ですね)
それで、最も大きい数のカードを持っている人が勝ち!というゲームです。
カードは、任意で他のカードと交換することができます。
自分の手持ちカードは見えないので、他の人のカードと周囲の反応を見ながら、小さい数のカードだと予測して交換したり、大きい数のカードだと予測して交換しなかったり…ということができます。
周囲から、
「そのカード、変えたほうがいいよ!」
「いや、変えないほうがいい!ほんとだって!」
・・・と騙し合いも発生(笑)
周囲の雰囲気に負けてキングのカードを持っているのに、交換してしまったり・・・。
高校生も、大人たちも、みんなで一緒に大盛り上がりでした。
そして、今回の授業のメインテーマは、「みんなでユメブレスト!」
第1回、第2回の授業では、大人たちが過去の失敗経験や現在の大学生活・社会人生活の話をしてきましたが、第3回目からは、高校生が自分の気持ちを声に出していきます。
生徒とボランティア(コンポーザー)全員が1つの輪になって順番に、それぞれの「ユメ」を語り合う時間です。
ユメと言っても、将来なりたい姿とか大きなことを語る必要はありません。ちょっとやってみたいと思うこと、最近興味があること、できたらいいなと思っていること…
小さなユメから、大きなユメまで、やってみたいと思うことなら何を言ってもOKという場です。
まずは1人ひとり、画用紙に自分の「ユメ」を絵や文字で描いていきます。
真っ白な紙を目の前に、「絵なんてかけないよ〜〜!」と悩む生徒に、
「描かなきゃいけないわけじゃないから、何にも書かなくったっていいよ」
「絵じゃなくても、文字でもいいよ」
と、生徒の様子を見ながら声をかける社会人ボランティア(コンポーザー)。
実は、真っ白な画用紙に何かを書くことは、ちょっとだけ勇気がいることです。
真っ白すぎて、描くことが見つからない自分に焦りを覚えてしまう生徒も、少なからずいます。
同じくコンポーザーさんも自分のユメを描きますが、生徒の様子を見ながら、集中している子はそっとしておき、悩んでいる子には声をかけて、時間が進んでいきました。
画用紙に描き終わったら、全員が輪になって、一人ずつ、自分の「ユメ」を語ります。
いよいよ発表となり、輪になると、少し緊張した顔をした生徒もいました。
スタッフの川上が話し始めました。
「高校生の段階ではやりたいことがないひともいると思うし、
ちょっとやりたいなと思うことを説明してもらえたらいいです。
誰かの発表を聞いて、自分も共感するな、と頭のなかで考えてもらってもいいし。
この場は、誰も、あなたのことを否定しませんので、みんなの話を聞きながら、いろんなことをシェアしてもらえたらなと思います」
そんな言葉ではじまったユメブレストは、とっても落ち着いた雰囲気でした。
一人ひとりが思い思いに、自分の気持ちを声に出します。それに対してうんうんと頷きがあったり、「いいね〜」と反応があったり、生徒同士で会話が生まれたり。
生徒のユメはヒミツですが、ちょっとコンポーザーやスタッフのユメだけほんのり紹介しますね。誰がどの発言をしたかは、ヒミツです!!
だから今年は、今までやったことがないことをしたいな、と思っています。海外にも行きたいです。
そういう、僕は元不登校・ひきこもりだということを堂々と社会で言えるようにしたいなと思っているし、そういう背中を、子どもたちに見せたいなと思っています。
世界中にいるひとと繋がって、自分の居場所、故郷と思えるところをたくさん増やしたい。
人生っていろいろあって、波があって。いい時も悪い時もあって、僕は今は落ちている時。
生きているとしんどいこともあるし…だから、今はちょうどやりたいことがないという感じです。
「居心地の悪いところから全速力で逃げていい。だって、シロクマが赤道直下にいるわけないじゃん」と言っていて共感した。
だから私は、ユメというのはないけど、居心地のよいところにいる自分でありたいなと思っている。
誰にとっても居心地のいいところをつくりたい。僕は世界は暗いと思っていた。
ある日、自分の好きなことを見つけてやってみるなかで、世界には楽しいこともいっぱいあるんだと思った。5年後に学校つくるんで来てください。
ユメブレが終わりました。
インディアンポーカーの時のように、わーっと盛り上がったわけではないですが、
なんだがすごく穏やかで、あたたかい場所になっていると感じました。
(実際に空調は暑めでしたが、そういうことではなく!笑)
生徒からは、授業後に以下のような感想をもらえました。
授業が終わっても、生徒とコンポーザーは、まるで近所に住むお兄さん・お姉さんと話しているかのように、雑談していました。
いよいよ、次回は最後の授業です・・・!
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