「来年も来て欲しい」-春日丘高校(定時制課程)授業レポート

「あー!ジブン、去年も来てたなー!」
教室に入ってきた高校生が、元気な声で言いました。
 
2014年度に引き続き、2015年度も、
大阪府立春日丘高校の定時制課程で『クレッシェンド』を行いました。
2年生になった生徒たちの中には、
1年ぶりにもかかわらずD×Pスタッフのことを覚えてくれていた人も。
そんなうれしい再会で始まった、2015年12月の授業レポートです。
 
クレッシェンドとは、「過去を受け入れ、未来を描く」プログラム。 社会人・大学生ボランティア(コンポーザー)との対話を軸にした D×P独自のあたらしい授業で、 高校生の社会関係資本の構築と成功体験の醸成をめざしています。
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春日丘高校の授業はA組とB組、二つのクラスに分かれて開催しました。
 
第1回:失敗なんてあたりまえ! 2015年12月16日
1回目の授業では、
コンポーザーが過去の経験や失敗から学んだことを高校生に話す、
『過去のジブン』を行います。
 
でもその前に、初対面の高校生とコンポーザーがお互いのことを知り、
ちょっとだけ壁を壊すために、楽しいゲームからスタート!
この日行ったのは『すごろくトーク』です。
 
すごろくトークとは?
すごろくのマスに「いつか行ってみたいと思っている場所は?」などの質問が書かれており、そのマスに止まった人が、そのテーマに沿って話をするゲームです。
 
 
B組ではすごろくトークを始めてすぐに、コンポーザーと生徒が打ち解けあっていたようでした。
A組の中にはゲームに参加しようとしない生徒もいましたが、
ゲームを進める中で、コンポーザーと共通の話題で少し盛り上がる様子が見られました。
 
 
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ゲームの後は、この日のメインプログラム『過去のジブン』。
コンポーザー達の過去の経験と学びを知る時間です。
 
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親のDV、職場での罵声や暴力、学校でのいじめ。
それがトラウマになったり、挫折したり、劣等感を感じたり。
 
それでも、その経験があったから、
「人の優しさ、思いやりに気づけた」
「できた体験があった」
「出会えた人がいた」
それぞれのコンポーザーが、
過去の自分の気づきや思いを高校生に伝えました。
 
さっきまでざわついていた教室が、
コンポーザーが話し始めると静かになり、
生徒達は真剣にコンポーザーの話を聞いていました。
 
中には、コンポーザーの話を聞いて、
自分の過去の経験を話し始めた生徒もいました。
 
 
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第2回:みんなの生活見てみよう!2015年12月17日
 
2回目の授業もゲームからスタート。
この日行ったのは、『シゴトはっけんカルタ』です!
 
 
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『シゴトはっけんカルタ』とは?
一般的なカルタとはルールが違います。絵札にはさまざまな職業が描かれており、ある職業の特徴(ヒント)をスタッフが3つ挙げ、高校生とコンポーザーが、その職業、すなわちカルタの絵札を当てるゲームです。
 
 
この日の授業の目的は、「多様な生き方を知る」。
まずはゲームを通して、その職業に就くために必要なことや、
自分の知らない職業が世の中にはまだまだ沢山あることを知ります。
 
どのグループも、それぞれが持っている職業への知識を出し合いながら、
高校生とコンポーザーが協力してカルタを楽しんでいました。
机に広がったいろいろな職業のカードを見ながら、
自分の興味のある職業についても教えてくれる生徒もいました!
 
 
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カルタで楽しんだ後は、この日のメインプログラム『現在のジブン』。
コンポーザーが今どんな仕事をして、どんな生活を送っているのかを聞きます。
そして今回は、生徒自身の話もたくさん聞くことができました。
 
「おれは料理がしたい」
「外国語勉強して、海外で働きたい!」
 
他にも、美容師やイラストレーター、声優など、自分のやりたいことを持っている生徒が多い印象でした。
また、働きながら学校に通っている生徒も多く、
今の仕事の好きなところや愚痴をコンポーザーに話していました。
 
授業終了後にある生徒が、
「いろんな人の話聞けて、俺も話せたし、昨日よりおもろかった」と話していました。
前日よりも、生徒と対話する時間をつくれた2回目の授業でした。
 
 
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先生から、入学した時から「大工になる」としか言ってなかったある生徒が、
帰り際に「大工以外の仕事も考えていかなな〜」とつぶやいていたのを聞いて驚いた!というエピソードも聞かせていただきました。
 
コンポーザーと進路について話をして、昨日までよりもちょっと違った角度から、自分の将来のことを考えられたのかもしれません。
 
 
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第3回:みんなでユメブレ♪2015年12月18日
 
この日も、『サイコロトーク』というゲームからスタート!
 
 
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『サイコロトーク』とは?
サイコロを振って出た目の数字に対応したテーマについて、グループ内で話をするアイスブレイク。例えば、①が出たら「最近頑張ったこと」、⑤が出たら「最近会いたい人」について、サイコロを振った本人が話します。
 
 
⑥の目が出たらチャレンジチャンス!
出る目を予想してもう一度サイコロを降り、予想が当たれば景品のお菓子ゲット♪
なかには2回のチャレンジに成功した生徒もいて、
コンポーザーも生徒もとても盛り上がりました。
 
ゲームの後はみんなで『ユメブレ』!
 
『ユメブレ』とは
それぞれの「ユメ」をクレヨンで画用紙に描き、発表するワーク。 D×Pでは「ユメ」の定義を、 「ちょっと好きなこと、やってみたいことも、全部ユメである」としています。 「将来こんな仕事に就く ! 」といった大きな目標から、「こんなところに行ってみたい」というようなやりたいことも、「ユメ」です。
 
 
まずはユメお絵描きで、画用紙に自分のユメを描きます。
 
 
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「ほんまは絵描くの嫌なんやけど〜」と言いつつも、
隣に座るコンポーザーと自分のユメについて楽しそうに話す生徒。
 
描きたくない生徒には「無理に絵を描かなくてもいい」と伝えます。
今まであまり授業に参加してこなかったある生徒は、絵は描けなかったけど、
この授業で初めて、自分の話をコンポーザーにしていました。
 
 
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ユメお絵描きが終わった後は、
みんなに自分の描いたユメを見せて発表します。
 
「エステティシャンになりたい」
「トラックの運転手になりたい」
「バイクが欲しい」
「バイトをしたい」
 
ユメお絵描きの時、「これめっちゃめんどくさいやん〜」と言っていた生徒は、
ユメブレで「ユメはないけど、これから探す」と話していました。
 
 
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この日は授業終了後も、何人かの生徒たちは帰ろうとしません。
コンポーザーとおしゃべりをしたり、
スタッフと一緒にホワイトボードに絵を描いたりして、
下校時間になるまで教室に残っていました。
授業中には聞けなかった、自分の悩みをコンポーザーやスタッフに話していた生徒もいました。
 
 
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第4回:知らなかったジブンを知ろう!2015年12月21日
 
いよいよ最終日。
この日のテーマは、「知らなかったジブンを知ろう!」
教室にいる一人ひとりの印象を小さなメッセージカードに書いて送り合う、
「ジョハリの手紙」というワークを行いました。
 
自分が見ている自分と、他人が見ている自分は違う。
他人からどう見られているのかを知り、新たな自分を知るためのワークです。
 
 
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いつもふざけあっている仲のいい友達に
真面目なメッセージを書くのが少し照れくさかったためか、
ちょっとふざけたメッセージを書く生徒が多い印象でした。
生徒のグループ分けが予定通りにいかず、
クラス全体で本音を言い合える空気をつくれなかったことがスタッフの反省点として残りました。
ただその中でも、真剣に書く生徒もいて、
手紙をもらった生徒は読みながら深く頷いていました。
 
 
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今回の全4回の授業では、クラスの「一体感」は生まれなかったけど、
各コンポーザーと生徒の間に、「個々のつながり」が生まれたようでした。
 
生徒それぞれが“自分のことを受け入れてくれる”と思えるコンポーザーに出会え、
普段は言わない自分のことを話すことができたのかもしれません。
 
第1回の授業では、途中で教室から出て廊下に座り込んでいた生徒も、
3回目、4回目の授業ではグループの輪の中に入って、最後まで授業に参加していました。
 
最初の授業では自分の名前すら教えようとしなかったある生徒が、
授業の最後、「来年も来て欲しい」と声をかけてくれました。
 
 
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