2015年6月20日 (土) ECC学園高校京都学習センターにて、第3回クレッシェンドを開催しました !
通信制高校の生徒のためのキャリア教育プログラムです。
社会人・大学生ボランティア(コンポーザー)との交流を柱として、生徒の自己肯定感の向上と社会関係資本の獲得をめざしています。
クレッシェンドでは1クラス(最大10名の生徒)に対して3ヶ月間で全4回の授業を行います。
1回目の授業のテーマは「失敗なんて当たり前 ! 」。
様々なバックグラウンドを持ったコンポーザー(社会人・学生ボランティア)が、過去のトラウマや辛かったことなどについて高校生に話しました。
2回目の授業のテーマは「みんなの生活みてみよう ! 」。
大人たちから、今までどんなふうに進路を決めてきたのか?
また、今はどんな生活をしているのか?進路選択の悩みなども含めて、話を聞きました。
今回、3回目の授業のテーマは「みんなでユメブレ♪」。
「いまちょっと興味のあること」から「将来こんな風に生活してみたいなぁ」ということまで、1人ひとりの想いを聴き合います。
「コンポーザー」とは…?
通信制高校生へ向けたキャリア教育プログラム「クレッシェンド」で、高校生と関わる社会人・学生たちのことを、「コンポーザー」と呼んでいます。
コンポーザーの皆様には、プログラムに臨む前に研修会に参加していただいています。
通信制高校に通う高校生は、年に数日間、「スクーリング」と呼ばれる宿泊学習を経験します。
※学校によって異なります
この授業があった6月の第3週は、ECC学園高校のスクーリングがあった週でもありました。
「スクーリングで、友達と仲良くなれた ! 」
「今まで、勉強が終わったらすぐに学校から家に帰っていたけど、これからはちょっと学校に残ってたくさんの人と仲良くなりたいな〜」
と、嬉しそうに報告してくれる高校生もいれば、
「スクーリングがあって、今週は大変だったよ・・・」
と、疲れの色を浮かべる高校生もいました。
そんな疲れを吹き飛ばし、そしてもっとみんなと仲良くなれるように、今回もゲームからスタートです♪
今回は「フィンガーファイト」というゲームをしました。
D×Pスタッフが独自に開発したゲームなのですが、ちょっとややこしいルールで進むので、
説明は割愛させていただきます。
トランプを使ったゲームや、パスタでタワーを作るゲームもあれば、他のチームのメンバーにインタビューをする、というチャレンジもあります。
チーム対抗戦は、大人も高校生も必死です・・・ !
ときには、相手チームを「だます」ことも、勝利のためには必要だったり・・・? (笑)
予想外の展開にハラハラドキドキ、時には大声で叫んだりと(笑)、たのしい時間になりました。
ゲームで盛り上がったあとは、自分の「ユメ」を、クレヨンと画用紙で表現する時間です♪
D×Pでは「ユメ」の定義を、「ちょっと好きなこと、やってみたいことも、全部ユメである」としています。
「将来こんな仕事に就く ! 」とか、はたまた「世界を変える ! 」といったような、大きな「夢」じゃなくてもOK。
夏休み中にやってみたいこと、今月やりたいこと、そういったこともすべて「ユメ」であると考えています。
はじめは「何を描いたら良いか、わからへん ! 」と言っていた高校生も、周りの人たちの様子を眺めたり、コンポーザーと話をしながら、少しずつ、クレヨンを手に取って描き進めていました。
お絵描きのあとは、みんなで円になって、ユメを聴き合いました。
「とりあえず、遠くに行ってぼーっとしたい。」
「もっと料理がうまくなりたい ! 」
「将来は自分の店をもちたい」
「厳しい道だとは知っているけれど、声優になりたい ! 」
「今はユメはないけど・・・高校3年間の間に見つけられたらいいな」
・・・
「高校生活の間にやりたいこと」から、「将来のユメ」まで、「ひとのユメを否定しない」というただ1つのルールを大切にしながら、聴き合いました。
発表の後は、その日の学びを振り返る「学びシート」を記入する時間です。
みんなの描いた絵を見ながら学びシートを書く人もいれば、ちょっと離れたところで真剣に書く人、コンポーザーとのおしゃべりを楽しむ人もいました。
高校生の〝学びシート〟の一部を掲載します。
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午後のクラスは15時からはじまります。
今回も前回に引き続き、京都学習センターの卒業生が写真を撮ってくれました♪
午後も、「フィンガーファイト」はとても盛り上がりました !
チームで協力して、カードに書かれている国名を当てるゲームもあります。
パスタタワーは、真剣そのもの・・・ !
時には、パスタタワーに挑戦しているチームに「邪魔」をするように、
「突撃インタビュー」を始めるチームもあります・・・(笑)
高ポイント獲得が狙えるゲームで、見事勝利したチームは・・・
嬉しさのあまり、思わずハイタッチ !
時間を忘れて、熱中したゲームでした。
ゲームで盛り上がった後は、ユメお絵描きの時間です。
大人になるにつれて・・・
「クレヨンを使う」ことや、「人前で絵を描く」ことは、減ってくるのかなぁと思います。
久し振りに描いた絵を見ながら、「なんか恥ずかしい」とはにかみながら、手で覆い隠す高校生も・・・ !
書き終わったあとは、円になって、ユメを聴き合いました♪
友達のユメに興味津々で、身を乗り出して話を聞く高校生が多くいました・・・ !
「海外でパソコンに関係する仕事に就きたい」
「とりあえずのんびりしたい・・・」
「将来は高級車を購入したい ! 」
「ピアノの先生になりたい。今まで練習してきた曲を、小さな子どもに聴かせてあげたいな」
・・・
1回目、2回目の授業の時は緊張していたのか、あまり自分の話はしなかった高校生も、
今日は自分のユメをハッキリと、語っていました・・・ !
このクラスでは、将来のユメについて話した人が多くいました。
もちろん「将来こうしたい ! 」という思いが聞けたことは嬉しいことでしたが、
なかには「みんなカッコイイ夢を語っていて、すごいな・・・」と伏し目がちに話す高校生もいました。
「ユメがある」ということは、素敵なことだと思います。でも、人生いつだって「ユメ」に囲まれているばかりではなく、時には、ユメに向かう心の余裕がない時だって、あると思います。
「いま、ユメがなくても大丈夫」 「大きなユメじゃなくても、大切にして良い」
そんなことを、高校生に伝えました。
クレヨンで表現された、1人ひとりのユメを見ていると、とても和やかな気持ちになります。
あるコンポーザーは
と、誰に言うでもなく、感じたそうです。
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授業に参加しているコンポーザーの感想です。
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