「読み手の気持ちを想像して記事を書く、ということ」D×P広報・寄付チームインターン 米澤悠亮さんインタビュー

 

NPO法人D×Pでは、高校での授業の企画・運営に携わる「教職インターン」の他にも、
広報や寄付などの業務に関わるインターン生も募集しています。

今回は、2014年9月から2015年2月までの半年間、
「広報・寄付インターン」 をしていた米澤悠亮(よねざわ ゆうすけ)さんに、
実際の業務内容や、インターン中の学びなどを聞きました !

 

 

—今日はよろしくお願いします。

 

米澤:よろしくお願いします。D×Pで広報・寄付インターンをしていた米澤悠亮です。
いやあ、広報担当としてお話を聞く側だったので、今日は聞かれる側で変な感じがします。(笑)

 

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D×Pの、多様性を認めている考え方を知って「あ、いいな!」と思いました。

 

—早速ですが、米澤さんはどこでD×Pを知ったんですか?

 

米澤:僕は西宮サドベリースクールという、いわば公立の学校とは違う学校に通っていたので、
日本にはもっと幅広い学校選択の方法があっても良いんじゃないかと考えていました。
サドベリースクールを卒業したあとは、サドベリースクールの広報スタッフとして働きながら
日本ではまだマイナーな学校やフリースクールの紹介をしたり、色んな教育に関する情報を広める活動をしていたのですが、
その活動をするなかでD×Pの川上さん (授業の企画・運営担当) に出会い、D×Pの存在を知りました。

最初はD×Pのことを
「中退する生徒はだめ!無理にでも学校に通わせよう」という方針の団体なのかな、
という勝手なイメージを持っていました。
でも、よく川上さんに話を聞くと、
「本人が心から納得して中退を選んだり、進路先を決めないまま卒業するということもあるし、それは別に悪いことじゃない」と言っていました。
だからD×Pでは、「中退率0%ではなく、中退率の”半減”」「進路未決定率0%ではなく、進路未決定率の”半減“」を目指しているのだ、と聞きました。
その、多様性を認めている考え方を知って、「あ、いいな!」と思いました。

 

—インターンをしようと思ったのはなぜですか?

 

米澤: サドベリースクールで広報スタッフをしていた時、
自分以外に広報業務をしている人がいなくてスキルアップをするのが難しかったからです。
広報戦略について書かれた書籍は面白いなぁと思って独自に色々と読んでいたんですけど、
実際に広報の仕事をするとなると、どう考え取り組んだらいいのかわからないということが結構ありました。
だから、D×Pで実際の業務を通じて広報の仕事を学びたいなと思い、広報インターンをしたいと思いました。

 

本で読むのと実際にやるということは全く違うなということを痛感しました。

 

—D×Pに入ってみて、入る前と印象が変わったところとか、驚いたことはありましたか?

 

米澤:結構あります(笑)
まず、インターンが始まる前に、しっかりとインターン期間中の目標や
「どんな仕事をしたいのか」ということを上司と一緒に考えてもらえたことに驚きました。
D×Pでは「自分が何をやりたいのか」ってことがすごく尊重されると思います。
逆に「やりたくないなら、やらなくていいよ」みたいな感じもありますし。

それから、本で読むのと、実際にやるということは全く違うなということを痛感しました。
元々、広報に関する本は読んでいて知識はあったと思うのですが、
あくまで、頭で知識として把握しているだけなので、いざ実践しようとしても課題の解決方法が浮かんで来ないということが多かったです。

 

—D×Pでは、具体的にどんな仕事をしていたんですか?

 

米澤:広報の仕事としてやっていたのは、授業やイベントの様子を記事にしてブログやSNSで発信することと、 ホームページの更新などです。
あと寄付の方では、助成金の申請をしたり、日々、寄付者の方への資料発送作業などをしていました。

特に勉強になったのは、ブログなどの文章の書き方ですね。
D×Pに入る前は「この文章は、どう読み手に伝わるか?」っていう視点が全くなくて、
自分が「これ面白そうやな」って思ったことを、ば〜って書いて、はいOK ! って感じだったんですよ。
でもD×Pに入って、そういう文章では読み手に何も伝わらないことに気づきました。
それからは文章を書いてはフィードバックをもらうことを繰り返して、
段々と「こう書いたら、相手はこう理解してくれるのかな」と考えられるようになりました。

もう一つ学びになったのは、
「どういう言葉やキーワードを使って発信するのか」を考える方法。
例えばクレッシェンドの記事を発信した時、アクセス解析ソフトで「なぜこの日だけ流入数が多いのか」「どんなキーワードで検索されているのか」などに着目し分析します。
その上で「このキーワードを入れて発信したら、もっとアクセス数が増えるのではないか」などの仮説を立てて、また発信する。
そしてまた分析して、仮説を立ててということを繰り返し実践しました。
実際に成果につなげるのはなかなか難しかったのですが、これを繰り返し上司と一緒に考えさせてもらったのは、広報という仕事に関する大きな学びになりました。

 

Webサイトで記事を書くとき、D×Pの場合はその記事の読み手の中に、
授業を受けてくれる高校生やその保護者の方、先生も含まれています。
そのことを想像しながら言葉を選んで記事を書かないと、
それを読んだ誰かがつらい思いをしてしまうかもしれない。
その部分はとても気を遣いました。

 

—何かを発信する時に、一貫して意識していたことってありますか?

 

米澤:やっぱり読み手を意識する、つまり情報の受け手を想像するということだと思います。
例えばWebサイトで記事を書くとき、D×Pの場合はその記事の読み手の中に、授業を受けてくれる高校生やその保護者の方、先生も含まれています。
そのことを想像しながら言葉を選んで記事を書かないと、それを読んだ誰かがつらい思いをしてしまうかもしれない。
その部分はとても気を遣いました。

 

—授業を企画・運営する教職インターンではなく、
「広報インターン」としてクレッシェンドに参加するときに意識していたことはありますか?

 

米澤:「どういうエピソードが授業の中にあったのか」ということですね。
授業の中で生まれるストーリーを記事で伝えられるように、生徒やコンポーザーの言葉、そして気持ちの変化などを意識してキャッチしようとしていました。
「結局その場では何が起きてたんだ?」っていうことを伝えないと、授業の場に直接いなかった人にとって、授業の中で起きたひとつひとつの事実は、存在しないものになってしまいます。
もちろん、全てを発信しないといけないわけじゃないけど、読み手の見える世界が変わるような文章を書きたいと思っていました。

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※インターンの仲間と一緒に、登山を楽しむ米澤さん。(写真手前)

 

D×Pは、一人ひとりの考えを尊重して「なんでも良い」と受け入れるけど、
受け入れたうえで「本当にそれでいいの?」という
自分の視点も提示するという文化があると思います。

 

—教職インターンの人たちとの関わりの中で、新しい発見や気づきはありましたか?

 

米澤:そうですね…。「姿勢」かな?
例えばクレッシェンドの後やイベントを開催した後など、
「何故ここが上手くいかなかったのか」「場をより良くするためにはどうしたら良いのか」と一つ一つを丁寧に振り返っていました。
普段の僕は、次々と色んなところに興味が移るタイプで、あまりやったことを振り返ったりすることは少ないので、一つ一つのことを自分ごととして捉え、掘り下げる、教職インターンの人たちの姿勢は新鮮でした。
そして、そういう姿勢から生まれる行動は、インターン同士のフィードバックや生徒との関わり方にも表れていると思います。
教職インターンの中にあるD×P独特の文化のような感じでしょうか。

 

—その“文化”っていうのは、もう少し具体的に言うと、どういうものなんでしょうか?

 

米澤: D×Pが大切にしている「基本3姿勢」(※) のひとつ、“否定しない”という意味なんですけど、
自分の言葉にするなら「受け入れること」だと思います。

※「基本3姿勢」・・・D×Pに関わる全てのひとたちが大切にしている
「否定しない、年上年下から学ぶ、様々なバックグラウンドを持つ人から学ぶ」という3つの姿勢のこと。

「受け入れる」ということは、一般的なところから外れたり、自分の価値観とは違っていたとしても、本人がその選択肢で納得しているなら、「それでいいんじゃない?」と認めるということだと思います。

僕はサドベリースクールで過ごすなかで、そういう「受け入れる」感じは肌感覚で理解していました。
でもD×Pでは、授業の中でただ生徒を受け入れるだけじゃなくて、「君の考えもいいと思うけど、私はこっちの選択肢もありかもしれないなと思う」という問いを投げかけることもある。
そんな大人からの問いかけって素敵だと思います。

D×Pは、一人ひとりの考えを尊重して「なんでも良い」と受け入れるけど、受け入れたうえで「本当にそれでいいの?」という自分の視点も提示するという文化があると思います。
否定しないけど、より良いと思う提案があれば、それも伝える。
その人のことをすごく考えてるからこそできることなのかな。
僕が通っていたサドベリースクールでは、基本的に本人の好きにすれば良いって感じの 「なんでも良い」だったので、D×Pのそういう文化というかスタンスは僕にとっては驚きでした。

 

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※2015年年明けに、D×P社員とインターン生で新年会を行った時の写真。写真奥中央が米澤さん。

 

団体にはそれぞれの想いや文化、色があって、
「今、その団体が何を考えているのか?ということを知らずには、
広報の仕事はできないよね。」
という発見がありました。

 

—D×Pでの仕事を終えてみて、何か今後も持っておきたいキーワードや、
学びになったなと思うことはありますか?

 

米澤:うーん、色々ありますが・・・。
朴さん (共同代表) に言われたことは結構一言一言が心に残っています。
例えば、面談のとき、「 (サドベリースクールの) 広報の仕事で気をつけていることは何?」と聞かれて、僕は「できるだけ広報の業務を回転させて、業績を残すこと。」って答えたんですね。
それはもともと広報の文化がないところで働いてたので、業績を残さないといけないっていう意識があったからでした。
でもその時朴さんに、「もちろんそれも良いけど、各団体には、それぞれ大切にしているものがあるからね」って言われて、それまで自分が「仕事を早く回さないと!」ということばかり考え、「その団体に必要とされている広報はどういうものなのか」ということまで考えられてなかったことに気付きました。
それも結局その人とか団体の気持ちをすごく考える、っていうところに繋がるんだと思います。
団体にはそれぞれの想いや文化、色があって、「今、その団体が何を考えているのか?ということを知らずには、広報の仕事はできないよね。」という発見がありました。

 

米澤:最後にもう一つだけ。
僕はD×Pでのインターンを終える時に、「コンプレックス」ってすごく良いなあって思いました。
D×Pの代表は二人ともすごく強いコンプレックスがあって、でも今は色んな人に囲まれている。
一般的にはコンプレックスって悪いイメージですが、多くの人は何かしらコンプレックスを持っています。
僕はあれもこれもやりたいって好奇心で動くことが多いけど、他の対象に興味がいきやすい。
でもコンプレックスってずっと心のなかでくすぶっているものだから、人間が一番行動する強い動機ってコンプレックスじゃないかなと思います。
今井さんも昔大学で孤立していたという話を聞いたし、昔のコンプレックスはまだ消えてないと思う。
それでも今、周りにたくさんの素晴らしい人が集まってくる。
そういうコンプレックスを持った人って、人間として豊かなのかなあと思います。

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※共同代表の朴(前列左)と今井(前列右)と、米澤さん(後列右)。

 

興味を持ったこと、面白いと感じたことに、真っ直ぐに向かっていく米澤さん。
ちなみにD×Pでのインターンを終えた米澤さんは、
自転車で日本一周のサバイバル旅行に出かけています!
ご興味ある方は、米澤さんのブログへどうぞ♪

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