「自信がなくても、いいんだ。」-通信制高校の生徒4名による写真展とトークショー@Loop A

「自信がなくても、いいんだ。」通信制高校の生徒4名による写真展
 
2014年、春。
通信制高校に通う高校生が横のつながりを創り、
1つの居場所として機能するコミュニティとなることを目指して
D×P写真部は活動を始めました。
 
それから1年。
写真部で活動を続けてきた通信制高校の4人の生徒が、
初めて「自分の写真を人に見せる」ということを決心。
そうして4人は、2015年4月6日〜12日の6日間に渡り、
「写真展」を開催しました。
 
協力:
 
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家族、友人、学校の先生、初めて会う大人たち、子供たち。
たくさんの方々が彼らの写真を見に来てくれました。
 
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「名前を見なくても、誰の写真か分かるよね」
 
彼らのことをよく知る人の多くが、展示された写真を見ながら言いました。
それぞれの写真には、高校生4人それぞれの個性がそのまま写しだされているようです。
 
大関 哲洋
 

もう一つの挑戦。写真部の生徒×今井紀明トークイベント。

 
今回の彼らの挑戦は、写真展だけではありません。
 
写真展最終日の4月12日。
この日の写真展会場では、写真展に参加した生徒のうち3人とD×P共同代表の今井紀明による
トークイベントが開催されました。
  
(左から、共同代表今井、田中瑠喜さん、畑中雅弥さん、西端雅さん)
(左から、共同代表今井、田中瑠嘉さん、畑中雅弥さん、西端雅さん)
今井:3人とも緊張していると思うけど、まずは自己紹介からお願いします。
 
西端雅(以下みやび):今年の3月に通信制高校を卒業して、今は写真の専門学校に通ってます、西端雅です。よろしくお願いします。
 
畑中雅弥(以下ぱたぽん):通信制高校3年生になりました、畑中雅弥と申します。よろしくお願いします。
 
田中瑠嘉(以下るか):通信制高校3年生、田中瑠嘉です。よろしくお願いします。
 
今井:はい。よろしくお願いします。
 
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やっぱり人は、1人じゃやっていけない。

 
今井:まず、今回どうして写真展に参加してみようと思ったの?
 
みやび:2015年の2月にカンボジアに行く機会があったんですけど、出発前にこの写真展に誘われたんですよ。カンボジアで撮った写真を色んな方に見ていただきたいと思って、写真展に参加しました。写真展でトークイベントをしたいと思ったのは、これから写真の道に進む上でいっぱい喋っていかないといけないこともあるだろうから、場数を踏んでいけたらなと思って。(笑)
 
今井:ちなみにカンボジアにはなんで行ったの?
 
みやび:フォトジャーナリストの安田菜津紀さんという方が、毎年カンボジアスタディーツアーというものをしているんです。その高校生チャレンジ枠(経済的、環境的に困難な状況にあり、海外渡航経験のない高校生が無料でツアーに参加できるプログラム)というものを今井さんから教えていただいて、応募してみたら選んでいただいて、参加することになりました。
 
今井:なるほど。みやびは今回の写真展の参加を通して伝えたかったこととか、表現したかったことってある?
 
みやび:カンボジアに行った時に撮影した写真を展示させてもらったんですけど、カンボジアでは命の重さとか貧困とかそういう問題に直面することが多くて、凄くいろんなことを考えさせられました。写真は写ってる人と撮ってる人の心が現れるものだと思っているから、カンボジアで出会った人やその時感じた自分の気持ちを表現して、その写真を見てくれた人に少しでも感じるものがあればいいなと思っていました。やっぱり人は1人じゃやっていけないから。
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今井:なるほど。僕が初めてみやびと会った時は、どことなく遠い感じがしてた。1人だけポツンといて、ずっと自分の世界に入っていた感じだったよね。でも最近すごく変わってきたと思う。みやびはD×Pと関わって1年くらい経つと思うんだけど、自分でも「変わってきた」って感じることある?
 
みやび:そうですね。D×Pに出会ってから、知り合いも増えるじゃないですか。そのつながりで何かにチャレンジする機会が増えてきました
 
今井:チャレンジしてきたのはD×Pじゃなくて自分の力じゃないかな?
 
みやび:いろんな人たちの話を聞くことが出来て、自分もやってみようと思うきっかけになりました。
「再会」タサエン
タイトル:「再会」タサエン/西端 雅
 

誰かのモヤモヤが、自分の写真で晴れてくれればいいなって。

 
今井:ぱたぽんが写真部に参加した理由はなんだっけ?
 
ぱたぽん:前から写真は撮ってたんですけど、いつも1人で写真撮りに行くのは家の周りだったりとかでそんなに遠出する機会もなかったし。色んな所にひとりで行こうと思うとちょっと大変だから、写真部に集まっている人らと一緒に撮りに行けばいいかなと思って参加しました。
 
今井:なるほど。写真展にはなんで参加しようと思ったの?
 
ぱたぽん:前に一度アート展に出させてもらったじゃないですか。
 
今井:あれは2014年の5月やったな。
 
ぱたぽん:その時、写真を通じていろんな人と話すことが出来て、それが凄い楽しかったんですね。自分の写真をパネルにして飾るのも初めての経験だったんで。1回目やった時凄く楽しかったんで、また2回目も参加したいと思いました。
 
今井:なるほどね。ぱたぽんは今回、写真でなにを表現したかった?
ぱたぽん:写真を通して伝えてみたいと思ったことがあって。僕は自分の気持ちがモヤモヤってしている時に写真を撮りに行くんですけど、撮った写真を見てるとそのモヤが晴れてくるんです。だから、自分以外でもそういったモヤモヤを抱えてる人がいたとして、自分の写真を見て、その人のモヤモヤも晴れてくれるといいなって思いますね。
 
今井:へぇ〜。そういう風に思ってたんや。面白いね!
 
気になってしまう このような所見てると「何かいないかな~?」って、 ついついのぞきこむように見てしまいます。
タイトル:気になってしまう/畑中 雅弥
このような所見てると「何かいないかな~?」って、
ついついのぞきこむように見てしまいます。
 

ちょっとだけやけど、自分の意見とかも言えるようになってきたなって。

 
今井:るかは、今高校3年生になって、この2年過ごしてきたなかで自分の心境変化ってある?今回写真展出てみての変化でもいいんだけど。
 
るか:うーん、けっこう人と話せるようになった。ちょっとだけやけど、自分の意見とかも言えるようになってきたなって。前はあんまり意見も言えへんかったし、友達とかと話すのもできなかったんで。
 
今井:なるほど。じゃあさ、仮にこの会場に通信制高校の生徒が居たとして、その後輩に伝えたい事や、今自分が大切にしたい事ってある?
 
るか:うーん。とりあえず1人くらい、ちゃんと信用して、相談できる相手を作ることかな。
 
今井:そうか…。今は信用できる仲間は増えた?
 
るか:信用してます。
 
今井:それはどうして作れたの?
 
るか:その人がめっちゃ優しくて、話しかけてくれて。そしたら自然にこっちからも話せるようになったし、相談もできるようになった。気がついたらできてた。今は自分も、そういう人間になりたいと思ってます。
 
 

人に嫌われないように無難な受け答えをするんじゃなくて、思ったこと言いたいな

 
今井:ぱたぽんは後輩たちに向けて何を伝えたい?
 
ぱた:なんだろう…。ちょっとしたことでもいいから、やってみたいことがあったらチャレンジしてみようということ、そういった試みをする努力をしてみたらどう?ってことを伝えたいですね。そうすることで人とのつながりが増えたりするから。なんでもいいからチャレンジしてみてってこと。
 
今井:なるほど。じゃあ、ぱたぽんはこれから何をしてみたい?
 
ぱた:そうですね。今のところ自分の伸ばしていきたいところとか、やっていきたいこととか、全くないんですよね。
 
今井:うん。なくていいと思う。
 
ぱた:とにかくなんだろう…。いろんなところに行きたい。もうちょっと手を伸ばしてみるというか、色んな人と接してみるっていうのも良いかなって思ってます。
 
今井:そうなんだ、おもしろいね!るかはどう?
 
るか:ぼくも夢とか、やりたいこととか、あまりないんですけど…。
 
今井:なくていい、なくていい!
 
るか:これまで我慢してきた分、自分の素を出していきたいかな。
 
今井:自分の素ってなんだろう?
 
るか:なんていうか、人に嫌われないように無難な受け答えをするんじゃなくて、思ったこと言いたいなって。
 
今井:なるほど。今も十分言えてると思うけどな。みやびはどう?これからやっていきたいことある?
 
みやび:とりあえず、写真の道に進みたいから、カメラの専門学校で専門的なことをちゃんと勉強したい。1年目は写真のアルバイトとかしながら勉強したいです。その専門学校は夜間の学校で、クラスでは私が一番下で18歳、一番上が63歳までいるんですけど。
 
今井:へぇ!そうなんだ!
 
みやび:私はどっちかというと、自分より歳上の方といるほうが落ち着くんですよ。だから凄くいい環境だなって思ってる。そのなかで年代も違うから、感じることも違うじゃないですか。その違いって写真にも出てくると思うから、そういう面でも勉強していきたいなって思ってます。
 
今井:なるほど。今日この場には色んな方に来て頂いてます。最後に、来てくれてる人たちに写真を見てもらって、何を「考えて欲しいか」ってところだけ伝えて終わろうかなと思います。ちょっと難しい質問だけど。じゃあ、みやびはどうでしょう?
 
みやび:いつもそばに居てくれてる人のことを考えてもらいたいなって思います。
私はカンボジアに行って、隣にいてくれる人への感謝というか、いつも自分のそばに居てくれてる人って誰かなって考えることができたので。
 
今井:なるほど。ぱたぽんはどう?
 
ぱたぽん:難しい質問ですねそれも。
 
会場:(笑)
 
ぱたぽん:特に考えてほしいことはないですね。自分が見て感じたことをキャプションに載せてるんで。それを見て皆さんがどう感じたのかを後で話してくれると嬉しいです。
 
今井:じゃあ是非皆さんあとでぱたぽんと話してみて下さい。るかは?
 
るか:いろいろ想いを込めたけど、あまりなにも考えずに見えもらえたほうが良いかな。
 
今井:なるほど、みなさん是非るかの文章と写真も見てみて下さい。ではこのあたりで生徒によるトークイベントを終わりたいと思います。高校生でこの場で喋れたってことは、とても素晴らしいことです。3人に大きな拍手をお願いします。
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こうして、彼(女)らにとっての初めてのトークイベントは終わりました。
台本もなく、生徒たちの言葉で本音を語った30分間は本当にあっという間でした。
 
 
2015年4月12日午後5時。
D×P写真部の生徒4人による写真展は、盛況のなか幕を閉じました。
 
会場の壁から自分の写真を1枚1枚剥がしながら、
「なんか、めっちゃ寂しいなぁ」と言って目頭を拭う1人の生徒の姿が印象的でした。
 
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