突然ですが・・・
みなさんが高校生のころ、
「親や先生には言いにくい悩み」を相談していたのは
どんな存在でしたか。
同じクラスの仲の良い友人、
家が近所の幼なじみ、
習い事で一緒のともだち、
そして、部活の先輩・・・
わたしが思い浮かべるのは、こんな人たちです。
D×Pが企画している、
通信制高校生のための部活の1つ「写真部」は、
D×Pスタッフと高校生だけではなく、
かつて通信制高校に通っていた「先輩」も
一緒にプログラムを作っています。
基本的には
レポートを提出することで卒業資格が取れる、通信制高校。
通学頻度は人それぞれで、
毎日学校に通っている生徒もいれば、
1年に数えるほどしか通学しない高校生もいます。
そのため、多くの通信制高校には「部活」がなく、
なかなか「同じ趣味を持つ先輩」と出会えない生徒は、たくさんいます。
「ちょっとだけ自分より年上で、同じく通信制高校を卒業した先輩たち」が
「悩んでいることや、最近楽しかったこと」なんかを、聞いてくれる。
しかも、
その先輩は「写真を撮る」という、「自分と同じ趣味」を持っている。
高校生たちにとって
「自分と同じく通信制高校に通っていた、ちょっと年上の先輩」は
D×Pスタッフとは、また違う存在のようです。
大変遅くなってしまいましたが、
1月18日の「写真部」の活動について、お伝えします。
今回で4回目となった、写真部の活動。
今までは
「同じ趣味をもった仲間と出会う」
「まずカメラを手に取って、写真を撮ってみる」
などを目的にしてきましたが、
4回目となる今回は
「今までよりもちょっとスキルアップして、写真を撮る」ということを目指しました。
はじめに、カメラについて詳しい先輩による、
「ちょっと専門的なことを学ぶ講座」が開かれました !
「F値、シャッタースピード、ISO感度」・・・
ちょっと難しい、専門用語が並びましたが、
「カメラとなかよくなろう ! 」という先輩の一言に、ほっとした高校生も
きっといたのではないでしょうか。
カメラについて、ちょっと詳しくなったあとは、
お昼ご飯を食べて、いざ出発です !
今回はD×P事務所の近くの駅から電車に乗り、
「天王寺動物園(大阪市)」を目指しました。
動物園に着いてからは、2人1組で
好きな動物や風景を撮影してまわりました。
ふだんから、花や虫の写真を撮ることが好きな高校生は、
動く動物たちに苦戦しつつも、レンズを向けていました。
獲物をとらえる眼差しは、真剣そのもの。
長時間その場から離れることなく、シャッターを切り続けていました。
そんな彼の姿を
「先輩」は、そばで黙って、見守っていました。
「先輩」とは言えど、
写真を撮ることが好きな者同士。
もしかしたら、もっといろんな動物を撮影してみたいかも知れないなぁ、と気になりましたが・・・
「今日は、俺はいいかなぁ。楽しそうやし。」
あっさり、伝えてくれました。
動物を相手に、真剣にシャッターを切る高校生がいる一方で・・・
「あんまり動物の写真は撮っていないんですけど・・・」と
遠慮がちに写真を見せてくれた高校生もいました。
そのカメラが映していたのは、
動物園に遊びに来ていたとある家族の後ろ姿や、
仲睦まじげなカップル、無邪気な子どもの姿など、
人物写真が中心でした。
「うわぁ〜 ! あったかい写真やなぁ ! 幸せなるわぁ。 」
思わず、感想を伝えると
「何かこういうの、いいなぁと思って・・・♪」
と、高校生は、
自分の家族についての悩みを、ポツリポツリと話し出しました。
すると、
少し前を歩いていた「先輩」が、
自分も家族のことで、しんどい思いをしていることを
話しはじめました。
家族についての話が共有できて、ほっとしたのか、
しばらくするとまた、動物や人にシャッターを向ける2人の姿が見られました。
思いっ切り写真を撮ったあとは、
ふたたび事務所に戻ってきて、みんなの写真を見合いました。
写真には、撮影者が「タイトル」を付け、
見た人はそれぞれ写真の感想を紙に書き、伝え合います。
今回参加してくれた高校生たちは、
アンケートにこんな感想を寄せています。
「自分の撮った写真に感想をもらえるのって嬉しい。」
「1人で写真を撮るよりも楽しいし、寂しくなかった。」
「写真部」が始まった昨年度から、
「先輩たちは、大きすぎる負担を背負ってしまってはいないだろうか?」と
何度か、心配になることがありました。
しかし、
先輩、後輩関係なく、「ひとりの人間」として
悩みに共感し合ったり、写真の技術を磨き合っているみんなを見ていると、
その心配はいらなかったのかも知れないなぁと思いました。
活動を続けて行くなかで、
「部活」に所属する楽しさやしんどさ、
「部活」を運営する難しさなどを感じることは、
きっと多くあっただろうし、これからもあるんじゃないかなぁと思います。
これからも、高校生や、高校生の先輩たちの
喜びも、苦悩も、
影から支えていこう。
改めて強く感じました。