2014年10月18日(土)に、ECC学園高校京都学習センターにて第1回目のクレッシェンドが行われました !
通信制高校の生徒のためのキャリア教育プログラムです。
社会人・大学生ボランティア(コンポーザー)との交流を柱として、生徒の自己肯定感の向上と社会関係資本の獲得をめざしています。
クレッシェンドでは1クラス(最大10名の生徒)に対して3ヶ月間で全4回の授業を行います。
2012年から実施している、ECC京都学習センターでのクレッシェンド。
全4回あるうちの第1回目の授業では、高校生も大人も初対面のため、どうしても緊張が走ってしまいます。
少しでも和やかな雰囲気にするため、スタッフはいろいろと工夫をこらしています。
「今回は何の絵を描こうか・・・」
そういえば、この日(10/18)はそろそろハロウィンの季節!
ということで、今回はホワイトボードもハロウィン仕様になりました。
授業を始める前に、事前にスタッフとコンポーザー(D×Pの社会人・大学生ボランティア)で授業の流れを確認しておきます。
今回は、9人の高校生をお出迎えしました。
授業が始まる前の待ち時間、何もすることがなく緊張した様子の高校生に対し、「一緒に座る?」と声をかけるコンポーザーがいました。
少しホッとした表情の高校生と、それ以上にホッとしているオトナの姿。
高校生も緊張していますが、本当は声をかけるオトナもすごく緊張しています。それでもぎこちない会話から少しずつ距離を縮めていきます。
時間が来たので、いよいよクレッシェンド開始!
まずは自己紹介からスタート。
最初はお互い緊張して、時おり沈黙する時間も。それでも話を進めていくと、コンポーザーさんと高校生同士で共通点が見つかり笑顔がこぼれる場面もありました。
「どこに住んでいるの?」
「○○駅!」
「えっ!うちも一緒!」
一度共通点を見つけると、それまでの緊張が一気に溶け、心の距離が近くなります。
自己紹介が済んで、お互いのことを知ったところで、「すごろくトーク」というゲームを行います。
このゲームでは、サイコロを振ってコマを進め、ゴールを目指していきます。
マスには様々なお題が書かれており、質問に答えていくことで、お互いの好きな趣味や意外な一面を知ることができます。
「今日1日で100万円使えるとしたら何に使う?」
「好きな仕事は?」
などのお題が書かれていて、順にサイコロを振って答えていきます。
中には「今から横文字(カタカナ言葉)禁止」というマス目も笑。
普段当たり前のように横文字を使用しているので、これがなかなか難しい。
「将来やってみたいことは、テレ(テレビ)・・・映像出力機で、超常現象の研究結果を発表すること」
と高校生が話してくれるなど、各チームで笑い合う姿が見られました。
すごろくトークでは、お互いの趣味、将来のやりたいことなどを、会話の中から発見することができます。
オトナと自分の共通点を見つけた時、
高校生は少しずつ、少しずつ心を開いてくれます。
次は、コンポーザーの失敗体験談を聞くプログラム。
大人でも、過去にたくさんの失敗をしています。
「自分もたくさんのつらい経験をしたこと。そんな苦しい思いを抱えながらも、今を生きているということ」を、大人たちが率直に高校生の前で話します。
そんなありのままを話す大人を見て、
高校生は「大人でも私みたいに失敗するんだ」「自分だけじゃないんだ」と思うことができます。
引っ込み思案な性格で周りに意見が言えず、自分の気持ちを表にだせなかった話。
大好きだった部活仲間が離れていくことが怖くて、必死に“みんな”に合わせていた話。
どこにも吐き出せないストレスや、仲間外れにされるのが怖くて善悪の判断もつかずに行動してしまった話…。
そんなオトナの話す姿をジーっと見つめる高校生たち。視線を下に落としたままの生徒も、話の合間に小さく頷く姿が見受けられました。
なかには「これまで誰にも話したことがない」失敗体験談を話してくれたコンポーザーもいました。
オトナであっても、みんながみんな、自分の体験を乗り越えられたわけではなく、現在進行形の失敗体験談を話す方もいます。
失敗体験談の内容は人それぞれ。だから、気付いたことやその経験から学んだ事、紡ぎだされる言葉はその人にしか語れないものです。
ふだん第一回目の授業を行うときは、この失敗体験談をした後に生徒から質問が出る事はあまり多くありません。でも今回は、高校生の方から積極的に質問が挙がる場面も。
背景は違っても、コンポーザーの想いや言葉にどこか共感するところがあったのかもしれません。
プレゼン終了後も少し時間があったので、それぞれで自由に会話を楽しみました。
クレシェンド終了後は、スタッフとコンポーザーで授業の振り返りを行いました。その日感じたこと、生徒と接してみて思ったこと、改善したいことを「振り返りシート」に記入していきます。
最後に円になって、スタッフとコンポーザーでその日の生徒の様子などをシェアしました。
クレッシェンドは全4回ありますが、この第1回目の授業の大きな目的のひとつは「(オトナたちとの)信頼関係を築くこと」です。
すごろくなどの遊びや、失敗体験談を通じて、オトナたちをひとりの「人」として見て、安心して自分のことを話せる空間だと思ってもらえるような場にしています。
残り3回の授業、スタッフもコンポーザーも心をこめて、運営していきたいと思います!
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